日本のガラパゴス化2 やがて企業は成長するにつれ、母国にいる必要性が無くなってくる

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 日本の企業の多国籍化に伴い、英語を公用語とする会社が増えているように思う。また、海外での採用や外国人の採用も増えている。

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 やがて企業は成長するにつれ、母国にいる必要性が無くなってくる。
 生産工場と販売や開発のようなすべてがそれぞれの適したところへ移るのが当然であろう。工場はアウトソーシングという手もある。

 私が元いた会社は(今も母体だが)、技術系を扱う小さな輸出入の会社で、アジアや近くの国(々)いくつか現地法人があり公用語は英語としている。
 アジアの各国はそれぞれの国で言語が異なるので、母国語だとその国の人同士は楽だが、横のつながりがどうにもならなくなるためだ。
(車の解体して輸出する様な仕事では日本語が共通語だったりする)。

 ペルー人の友達(うちの会社の人ではない)は、
「アジア各国はそれぞれが歴史が有る分、言葉が違って大変だね。向こう(南米)はメキシコから南は全部スペイン語だけで済む」
てな話である。
 ブラジルはポルトガル語だが、言語的に近いからそれも通じる。

 アジアだとそういかないし、もうちょっと西の方の中東やスタン系の国、欧州くらいまで含めるとしたら、もう少しぐるっとまわると南北のアメリカ大陸になったとしても、何か一つの言語の方がお互いにとっても楽である。

 仕事の言葉は、お金の関係では数量や金額など内容が決まっているし、こういうのは間違わないようにメールでする。最初の段階で通訳を頼んで細かいところを決めておけば、その後はどうにかなる。
 また、専門用語はどこから発生したにしてもほぼ世界共通だから、専門職同士なら専門用語だけでどうにか通じる。

 ニュアンスとかそういうのは伝わりにくいのだが、「アンタ」と「アナタ」とか、「こうしてくれ」と「こうしろ」のような違いは、元々上手く通じていない分揉めたりしない。
 英語圏の人はそういうところが気になるみたいで、ブロークンな英語にむかついていたりするが慣れるしか無い。そうしないと自分の商売が上がったりだ。

 その当時から
 「私は各国語は覚えないようにしています」
と言っているが、そう日本人の人に話すと
「なんで?」
と聞かれる事がほとんどだ。

 そういう時は
「能力を注ぐべきは仕事であって、言語の取得は費やす時間の割に合わないので、英語だけで済ますようにしています」
と説明している。

 もちろん私は英語が上手い訳ではないが、それで仕事が進むのだから問題でもない。
 現地の言葉での「コンニチワ」のような会話はコミュニケーションを良くするために頑張って覚えるが、使わなくなると忘れる。
 ここで上げるのは恐縮だが、日産のゴーン社長は英語でほとんど済ませている様だが、だからといって日産の仕事が上手くいかない訳ではない。


 外国の社員同士は母国語は違っても上手く進めていけるが、そこに日本人が入ると、
「日本が本社なんだから、共通語は日本語じゃないとおかしくないですか?」
などと言ったりする。

 また、そういう事に慣れていない人や会社ほど、外国人社員にほぼネイティブ日本人と同じだけの日本語能力を求める傾向が有る。
 ネイティブと同じだけにしゃべる能力はビジネスの社会だとあまりないだろう。高度な専門能力の方が求められるのだし、なにか言語的な必要があるのなら、先述の通り通訳を頼む方がよりふさわしいだろう。
 自分が英語をネイティブにしゃべるようになるには大変なのだから、それよりも聞き慣れていない日本語能力を求めるのは酷だし、それが有用な点は少ないと思う。
 時間をかけてそういう事をしても会社としては無駄があるし、既に共通語としてのディファクトスタンダードは英語だから、それを採用するのは当然の成行きだろう。

 そういうふうに捉えない日本人だけが仕事が進まなくてコスト(給与)が高いのだとしたら、採用割合が変わるのはこれもまた当然の運びだろう。

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