(PRESIDENT Online ) 2014年11月24日(月)配信
■「ダメな自分」とも向き合う勇気が必要
前回「悲願の「早起き習慣」一生定着させるコツのコツ」(http://president.jp/articles/-/13827)では、早起きの定石(ツボ)と対策をお伝えしました。なぜ、起きられないのか、どうすれば起きられるのかはお分かり頂けたと思います。
今回は、早起き習慣を定着させるため「早起きを邪魔する挫折要因をつぶす」をテーマにノウハウをご紹介したいと思います。
1.なぜ挫折要因を知ることが大切なのか?早起き、もっというと早く寝ることが難しいのは、「不確定要因」が多いからです。3日間、仮に理想の時間に寝られるようになったとしても、4日目以降に思い通りに進まないことがあります。なぜなら、残業や飲み会・家族との予定など、誰しも他者との関わりがあり、自分で完全に生活をコントロールすることができないからです。
挫折しやすい人は、完璧主義思考を持っています。完璧主義思考とは簡単にいってしまえば、0点か100点かで考える思考です。3日出来ても、2日続けられなくなるとその時点で「あー、やっぱりダメだ」と0点をつけてしまいます。
人間は「ダメな自分」と向き合い続けるのは苦しいので、結局挫折して辞めてしまうというサイクルです。
あなたにも思い当たる節はありませんか?
多くの場合、挫折に陥る「不確定要因」には、実は人それぞれのパターンがあります。
大切なことは、予めそのパターンを想定し、対策を組んでおくこと。すると、例えば「今日は例外ルールでここまでやったらOK」と許すことができ、自己肯定感が累積して続くようになります。
ただし、これには前提条件があります。
それは、挫折要因をつぶす行動に出るのは、一番キツい難所である最初の3週間(反発期と呼んでいて、最も挫折しやすい期間)を乗り越えてからにする、ということ。私は多くのクライアントにこれをお勧めしています。
3週間はなるべくパターンを守れるように工夫することです。(反発期の説明などは過去に掲載の「『続かない人』の挫折パターンは3つある」http://president.jp/articles/-/12631 をご覧ください)
■ネット・スマホ・TVは歯止めが利かない
前回記事では、早起きの原則と王道の続け方をご紹介しました。今回はそこに柔軟性を持たせるために、挫折要因を洗い出し、対策を考えて行きましょう。
対策は人それぞれです。あなたなりの対策を考えながら読み進めてみてください。
要因1. 飲み会ビジネスパーソンであれば、仮に23時に寝ると決めても、お付き合いの飲み会等の日は難しくなります。
ここでの対策は、例外ルールの適用です。飲み会ならば、23時までは飲んでいてオッケー、24時には就寝すると決めておきます。
そのためには、普段は飲み会はなるべくセーブする、22時には帰るなど、リズムができるまでは寝る時間と起きる時間を優先してください。
要因2. 土日の予定で夜更かし平日は、決めた時間に寝たとしても、土日はリズムが崩れがちです。家族と外出したりすれば就寝時間は夜遅めになります。
反発期(最初の3週間)は上記と同様、なるべく早めの帰宅を心がけください。ただ、家族や恋人との予定で休日には休日なりのリズムがあると思います。その場合は、休日専用に寝る時間と起きる時間のスケジュールをつくってみてください。
要因3. 仕事の繁忙期で残業仕事にはリズムがあります。繁忙期と平常時とでは帰る時間は変わってくるでしょう。理想論では帰る時間を一定にして早く出社して仕事を片づけることですが、そうはいかない場合があります。
対策としては、繁忙期に早起き習慣を始めないことです。この時期に早く寝ることを掲げても続ける環境が悪すぎます。3週間の反発期を乗り越えるには、なるべく仕事に余裕があるタイミングにしてみてください。また、3週間を超えてから繁忙期に入った場合は原則早く起きて仕事を済ませるよう心掛けつつ、繁忙期用のスケジュールをつくることです。
要因4. ネット・スマホに没頭家に帰るとストレスからつい、ネット・スマホ・TVなどでリラックスをしたくなるものです。ストレス緩和はとても重要ですが、これらの習慣の負の側面は、依存性があり、歯止めが利かなくなることです。
対策としては、ネット・スマホを行うときはタイマーをつけて時間を制限することや、別のストレス解消の方法を見つけることです。
ゆっくりお風呂に浸かったり、本を読んだり、1時間の録画していたお笑い番組を見るなどです。依存性があり、歯止めが利かないストレス解消法は夜更かしの原因になります。
■ゲームも暖房も「タイマー」が鍵
要因5. 家族や恋人のリズムが違う自分が理想とする寝る時間、起きる時間のリズムが家族や恋人と違うという場合、最終的に自分のリズムを崩したり、大切な人との関係が険悪になったりします。
それはプランに問題があります。予め想定して周囲との関係も視野に入れたプランをつくることをお勧めします。対策としては、共に早寝早起きをすることを提案する、もしくはしっかりと話し合い、スケジュールを折り合いのつく状態に見直してみてください。
要因6. 寒いから布団から出たくない早起きが精神的に辛くなるのは、ちょうど今頃、冬場の寒いときに布団から出たくないときです。さらに日の出が遅いので目が覚めてもまだ暗く、どうしても身体のリズムが取れなくなってきます。
冬場のおすすめは、寒い・布団から出たくないという問題をなくすことです。対策としては、エアコン等をタイマーセットして、起きる時間に部屋を暖かくしておく、寒くないように起きたタイミングで着込むなどです。寒さがネックであれば、その寒さを取り除く方法を考えてみてください。
要因7. 疲労が激しい、体調が悪い働いていると、どうしても金曜日はつかれていたり、風邪をひいて朝起きるのが辛いということがあります。
こういう時に無理して起きるとかえって体調が崩れますし、疲れも取れず仕事の生産性が悪くなります。
対策としては、寝る時間が一定であれば、1時間、1時間半多く寝るようにしてみてください。まずは体調回復を優先して寝ることです。ここでも前回同様大切にしていただきたいことは、寝る時間を一定にすることなので、それが出来ていれば起きる時間は体調によって柔軟に設定しましょう。
以上、前回の記事を合わせてお読みいただき、まずは、30分早く起きるようにしてください。会社の時間に起こされるのか、自分で30分意図的に起きるのかでは一日のスタートが全く違います。30分早く起きられると人生の主導権が握られるようになり、全てのリズムが好転し始めます。
是非、あなたの早起きプランの参考にしてみてください。
習慣化コンサルタント 古川武士=文
http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/po-20141124-13947/1.htm
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