「魔法の指輪」が登場、もはや点字は不要に?

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「魔法の指輪」が登場、もはや点字は不要に?
<動画>MITメディアラボが開発した新技術
Reuters

2014年08月27日

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指輪で本を読み上げる仕組みとは?


 アメリカとシンガポールの研究者たちが開発した指輪状の新型デバイスのフィンガーリーダー(FingerReader)は、通常の文字を読み取って合成音声にしてユーザーに伝えるシステムだ。

 このシステムを使えば、視力に障害を持っている人でも文字を素早く読み取り、内容を知ることができる。視覚障害者のために特別に作られた点字の書籍でなくても、難なく読むことができるのだ。いったいどのようなものなのか、詳しくみていこう。

指で本を読むことが可能に

 メン・イー・ウォン氏は視力に問題があるにもかかわらず、指に取り付けたフィンガーリーダーを利用して、全く新しい方法で本を読んでいる。

 ウォン氏はフィンガーリーダーを使いながら、こう述べる。「奇妙な感覚です。視覚障害者は文字を読むことになれていないので、変に感じます」。

 フィンガーリーダーは、視覚に難のある人のために開発されたデバイス。シンガポール・ユニバーシティ・オブ・テクノロジー・アンド・デザイン (以下SUTD)の研究者で助教授のスランガ・ナナヤッカラ氏は、アシスティブテクノロジー(障害を持つ人々を支援するための技術)と視覚障害者の間にはギャップがあると述べる。

 ナナヤッカラ氏は次のように話す。「目が見えない人でも使いやすく、ユーザーフレンドリーだと宣伝するスマートフォン用アプリが非常に多く公開されています。しかし実際は、目が見えない人がスマートフォンを利用するためには非常に退屈で長い手順を踏まなければならないのです」。

 そこで、ナナヤッカラ氏とMITメディアラボ研究員のロイ・シルコット氏はフィンガーリーダーを開発した。
この指輪状のデバイスは、ユーザーの指にはめて使用する。リング上部に配置されているカメラで文字を読み取る仕組みとなっており、指を文章の単語に沿って走らせると、コンピュータが指を置いている場所を判別。文字を音声に変換して合成音声を出力する。

2年後には開発が完了

 視覚障害者は指を直線的になぞることに慣れていないので、デバイスが自動検知してユーザーをサポートする仕組みもある。

 MITメディアラボ研究員のシルコット氏は次のように述べる。「このデバイスを使うと、まっすぐ指をなぞるのは難しいと感じることでしょう。視覚障害者が文字に沿ってなぞろうとすると、上下にずれてしまうことがあるからです。こうした問題に対処するため、振動や音声を流しています。これによって適切にスキャンがしやすくなります」。

 開発チームは今も数多くの課題を抱えており、1つずつテストを進めている。デバイスの調整が完了するのは約2年後を想定している。

 レストランのメニューやその他の文字が読めれば人生が変わるかもしれないと話すウォン氏にとって、これは素晴らしいニュースだ。ウォン氏はこう言う。「非常に多くの情報が私達の周りに存在し、それが自然に手元に流れてきます。視力に問題のある人達でもそうした情報にアクセスすることができれば、生活を大きく変えることになると思います」。
最初は奇妙な感覚だと言っていたウォン氏だが、少しずつ慣れてきたようだ。


http://toyokeizai.net/articles/-/46380

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