英国で増えている究極の治療法?「自分で歯を抜く」

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2007年10月16日 12:29 発信地:ロンドン/英国

【10月16日 AFP】英国では、原則的に無料で治療を受けられる国民医療制度(NHS)の下で治療を行う歯科医師が減少したことで、治療を受けず自分で歯を抜いてしまう人も出ている現状が、15日発表された調査結果で明らかになった。

 王冠が外れてしまうと、治療費が高額な民間の歯科医にかからず強力接着剤で間に合わせる人もいるという。中にはペンチで、自分の歯を14本抜いたという強者もいた。

 典型的なパターンは、NHSの歯科医が不足しているために民間の歯科医に行く患者が増えているというもの。民間の歯科医で治療を受ける患者の78%は、その理由として「NHSの歯科医が見つからないから」と答え、「よりよい治療を求めるため」と答えた人はわずか15%にすぎなかった。

 「誰にとっても極めて不愉快な状況。政治家はこの問題で患者から深刻な問題を突きつけられている」と語るのは、「Commission for Patient and Public Involvement in Health、CPPIH(患者と政治の医療への関与のための委員会)」のSharon Grantさん。

 イングランドの住民5000人を対象にした今回の調査で、歯科医に行かずに自分で何とかしたことがあると答えた人は6%、さらに5人に1人は高額の治療費を理由に歯科医にかからない現状も明らかになった。

 調査をまとめた「England's Patient and Public Involvement Forums(イングランドの患者と政治の関与のためのフォーラム)」の調査員の1人は、自分で歯を抜いたという人に午前中だけで3回出くわしたという。 

 この状況には歯科医自身も頭を痛めている。

 前年、NHSと歯科医の間の契約内容が変更され、NHSが厳格に区分した治療内容の費用のみが政府から歯科医に支払われるようになったため、調査の対象となった歯科医の58%が、「治療の質が落ちた」と回答し、84%は「患者は治療を受けづらくなっている」と指摘した。

 また45%の歯科医は、「(治療に制約がある)NHSの患者はもはや取らない」と回答し、41%は「仕事量が多すぎる」と指摘した。さらに29%の歯科医は、自分の医院で新たな歯科医を採用したり、あるいは今いる歯科医を引き留めることが難しくなっていると回答した。(c)AFP

http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2298693/2247203

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