にんにくの心臓血管疾患への効果を科学的に証明 米研究報告

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AFP
2007年10月16日 12:08 発信地:シカゴ/米国


【10月16日 AFP】西洋医学以外の療法「オルターナティブ・メディスン(代替医療)」の視点から、にんにくが持つ抗菌作用から循環系への効能といった幅広い効果は、数世紀にわたり注目されてきた。

 このにんにくの持つ滋養強壮効果を、米国の科学者らによる研究チームが科学的に解明した。研究によると、にんにくは、血管を広げて血流を促進し、血栓や酸化的損傷を防ぐ化合物を作る機能を高める効果があるという。

 研究を行ったのは、米アラバマ(Alabama)州バーミングハム(Birmingham)にあるアラバマ大学(University of Alabama)の環境衛生科学専門の生理学者、デビッド・クラウス(David Kraus)氏率いる研究チーム。

 にんにくの薬理学的効能を調査した研究の大部分は、にんにくに豊富に含まれ、「アリシン」としてよく知られている有機多硫化物に焦点を当てている。

 研究によると、アリシンや類似の生物活性化合物はパズルの1ピースに過ぎず、これらの化合物が重要だと見なされた場合のみに作り出される化学的伝達物質だという。研究グループは実験で、血管を広げ、血流を促すために必要不可欠なこの伝達物質は、硫化水素(H2S)であることを突き止めた。

 研究チームはいくつかの実験を行った。まず、スーパーマーケットで売っているにんにくから汁を抽出し、少量の赤血球を加えた。すると、赤血球は直ちに硫化水素を放出し始めた。また、この化学反応は主に赤血球の細胞膜で起きており、赤血球内部で作られる硫化水素はわずかであることが分かった。

 さらに、ラットの大動脈の断片と心臓血管を有機多硫化物を含む溶液に浸したところ、硫化水素を生産しながら広がり始めた。

 研究チームは、今回の発見を、にんにく栄養補助食品が心臓血管疾患に効果がないとする研究より、同疾患の進行を阻止する効果があるとする研究が多数を占めることの裏付けだとし、「硫化水素を作り出す能力は、にんにく栄養補助食品の規格化に利用できるだろう」と期待をのぞかせた。

 研究結果は米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)に発表される。(c)AFP

http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2298716/2247355

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