2013年9月27日(金)12時37分配信 サーチナ
「アジアの先進国である日本に、台風休暇がないなんて......」と嘆く台湾人が、その思いをブログに執筆。細かく理由を述べている。
台湾の50代男性・鶏音荘家(ハンドルネーム)さんは、台風休暇がない日本の状況を皮肉を交えて挙げた。「悪天候に見舞われたサラリーマンは、アイディア力が磨かれる。風雨に負けることなく出社しなければ、という思いが世界市場で成功する商品開発につながるのではないか。社員が休まないので、人件費は無駄にならない。何があっても自己責任、というのが日本人の基本だ。政府や天気予報には責任転嫁しない」のが、鶏音荘家さんが思いついた内容だ。
続けて日本は偉大だと述べ、「エアコンのスイッチを入れるのは、28度になってから。その状況下で暑さに耐える人々のために、優しさにあふれた商品が開発される。エアコンの費用節約が良い例だ」というのが、鶏音荘家さんの説明。
そしてやはり、サラリーマンには台風休暇がないことにこだわり、「台風休みがあるのは学生だけらしい。学校が台風休暇の決定権を持っている」と書いた。日本の高校と大学に通っていたという鶏音荘家さんは、休みを記憶しているそうだ。続いて「サラリーマンは大変! 電車が動いていれば、どんな状態であろうか絶対に出社しなければならない」と述べ、「僕は会社から2駅の近場に住んでいるが、"歩いて出社"と社長に命令された」と実体験をつづった。「日本政府は台風休暇を推奨することなく、すべて会社任せだ」とチクリと刺した。
実際に台風の日に出勤し、「人であふれたホームで服はびしょ濡れ。事務所に行くまでに疲れ果ててしまった」という鶏音荘家さん。とてもつらかったようだが、「台風でもスーパーやデパートは通常営業していた。従業員は大丈夫だろうか......」と心配になったという。そして「どんな状態でも出社するのが日本人! いつかかってくるのか分からない電話を、事務所で待ち受けているのだ」と、不思議がりながらも「その精神はすごい!」と褒めている。台湾人の慣習から理解は難しいが、仕事に臨む姿勢が素晴らしいと感じ取っているようだ。
ちなみに台湾では、台風接近時は政府の判断によって地区ごとに「台風休暇が発令される」、とのこと。テレビやラジオなどで一斉に伝えられるので、人々が注意を払っているようだ。だが面白いことに、同じ地区であっても会社と学校で異なった発令が出される場合があるそうだ。また通常は政府関係機関に向けての発令らしく、その内容に一般企業が合わせているケースがほとんどのようだ。
今夏は台湾を直撃する台風が多く、学校や企業は何度も「台風休暇」を発令したのではないだろうか。ブログの筆者・鶏音荘家さんのように、台湾で指示に従って台風休暇をもらっていた人物にとっては、強い雨や風に吹かれても容赦なく出社しなければならない日本のサラリーマン事情は、厳しい社会を象徴するエピソードになることだろう。
(編集担当:饒波貴子・黄珮君)
http://news.nifty.com/cs/economy/economyalldetail/sech-20130927-20130927_00026/1.htm
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