河北新報 7月20日(日)6時10分配信
福島第1原発事故の避難区域がある5市町村を対象にした夏季の特例宿泊が19日、福島県南相馬市と福島県飯舘村で始まった。これまでで最も長い29泊が認められ、避難中の住民が自宅でくつろぐ姿が見られた。
南相馬市小高区岡田の自宅に戻った村井洲湖(しゅうこ)さん(79)、ヨシ子さん(78)夫妻は、居間でお茶のみを楽しんだ。海岸から約1キロの自宅は津波被害に遭ったものの修繕をほぼ終え、同市鹿島区の仮設住宅から通っていた。
特例宿泊は5月の大型連休に続き2度目。放射線量は仮設住宅の方が高いといい、夫妻は「狭い仮設にいるよりいい。一日も早く住み続けられるようになれば」と話した。宿泊には申請が必要で17日までに319世帯、1033人が希望した。
飯舘村では27世帯、62人が申請した。福島市内の仮設住宅で暮らす無職森永安子さん(83)は「震災後に亡くなった夫と先祖が入るお墓に線香を上げたい」とお盆前後に4日間ほど帰宅する。
生活が不便だとして申請を見送った人も多い。福島市の仮設住宅で1人で暮らす無職佐々木ミノルさん(78)は「水や食べ物を持って行かなければならず、トイレも使えない」と帰宅を諦めた。
楢葉町は31日から、川俣町と葛尾村が8月2日から特例宿泊が始まる。いずれも期間は8月17日まで。
最終更新:7月20日(日)6時10分
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