英語ができる人1000人に聞いた、子供にマスターさせる近道
(PRESIDENT Online ) 2014年7月21日(月)配信
■単に言葉の勉強ではないはず
英語ができる人はわが子の英語教育にも関心が高い。「子供に英語を身につけさせたい」と答えた人が8割以上、「小学校の英語必修化」には7割以上が賛成している。英語を身につける時期として、「幼児期」や「小学生」という答えが多く、「日本人が英語ができるようになるには何が必要か」という問いでも、「早期教育、幼児教育」や「小中学校の授業の充実」を挙げる人が多かった。現在小学6年生の息子を持つ山崎さん。自身は子供に特別な英語教育は施していないという。
「ネイティブと同じように英語を使えるようにしようと思えば、早期教育も考えなければいけないのかもしれませんが、そこまでは必要ないと思っています」
アンケートでは「母国語も身についていない幼少期から英語を学ばせるのは疑問」という声があったが、山崎さんも同じ方針。その根底には、英語を学ぶとは単に言語を覚えることではない、という考えがある。
「小学校低学年のうちは論理的な思考もできないし、抽象化や概念化もできていない。言語を学ぶうえで大事なのは、概念の理解や、感情の説明能力です。バナナとかアップルとか、物の名前を覚えさせるのを英語の勉強とするなら、やらなくていいと思う。それなら英米の歴史や文化を学ばせたほうがいい」
英語の背景にある歴史や文化を身につければ、英語に親しみやすくなるし、後々、英語でコミュニケーションを取るときの「厚み」になってくるという。
■英語ができる人の勉強法とは?
アンケートの方法は、NTTコム・オンライン・マーケティング・ソリューション(gooリサーチ)との共同調査で2013年1月に実施。
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■日本人が英語ができるようになるには何が必要?
早期教育、幼児教育......23.8%
小中学校の授業の充実......18.1%
長期留学経験......15.0%
独学あるのみ......7.9% インターナショナルスクールの充実......6.5%
短期留学経験......4.1% 英会話学校の積極利用......4.1%
英語教材の活用......3.8% 会社に入ってからの猛勉強で十分......2.9%
語学重視の学校への進学......2.5% 大学に入ってからの猛勉強で十分......2.4%
その他......8.9%
最も大事だと思うものを1つ選択。その他の自由回答は「間違った英語を話しても恥ずかしくない、という環境をつくること」「本人が楽しいと感じること」「母国語の語彙力」など。
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■英語ができるようになった決め手は?
中学、高校、大学など学校の勉強で......32.4%
独学で(洋楽や映画、学習教材など)......20.6%
学生時代の海外留学で......17.1%
英会話学校、英語塾などで......15.8%
海外勤務で......7.1% インターナショナルスクールに通って......1.8% その他......5.2%
一番印象に残っているものを1つ選択
その他の自由回答は「ワーキングホリデーで」「英語を使う仕事を通して」「外国人の友人との付き合いで」「上司による英会話レッスン」など。
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■英語力を身につけたきっかけは?
ただ英語が好きだったから......29.5%
差し迫った理由はないが、将来に向けて勉強しておいた......28.9%
仕事上の必要に迫られて......19.2%
研究や論文など学問上の必要に迫られて......5.4%
意識しなくても、気が付いたら英語ができていた......5.3%
小さいころ英語圏に住んでいた(帰国子女)......4.2%
資格取得上の必要に迫られて......3.4%
その他......4.1%
一番強く影響したきっかけを1つ選択。その他の自由回答は「高校の英語教師がおもしろかったから」「不自由なく海外旅行をしたかった」「語学コンプレックスがあったから」。
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■今まで効果があった勉強法は?
英語のテレビ番組を見る......40.3%
CDやDVDなど教材での勉強......24.8%
英会話教室に通う......21.5%
NHKラジオを聴く......21.0%
英字新聞を読む......20.5%
海外のホームページサイトを読む......20.5%
その他......16.7% 特にない......15.2%
特に効果があったものを3つまで選択。
その他で効果があった勉強法は(「その他」と答えた人の自由回答を抜粋。
)「外国人の恋人をつくる」、「仕事の実務で毎日使う」、「映画をシャドウイングする」、「実際に外国人と会話、交流する」、「海外で生活する」、「英語しか通じない環境で仕事をする」。
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■アウトプット型で使える英語を
英語ができる人は、どのようにして英語を習得したのか。決め手として「学校の勉強」を挙げる人が多かったのは、少し意外な感じがしないでもない。
「アンケート結果を見て思うのは、英語ができる人は何も特別なことをしているわけではないということ。基本的には英語が好きで、中学、高校、大学ときちんと英語を勉強して、傾向としては大企業に入るというキャリアパスを歩んでいる人が多い。その結果として一般的な就労者よりも平均年収が高い、ということを理解しておくべきだと思います」
効果があった勉強法についても、「英語のテレビ番組を見る」「教材での勉強」など、英語学習の王道が上位に並ぶ。
「選択肢の勉強法は全部インプット型で、受け身の勉強法ですね。教材を使うとか、先生に教えてもらうとか。それでTOEIC750点は取れますが、それだけでは使える英語は身につきません」
一方で、フリーアンサーには「外国人の恋人を作る」「とにかくネイティブと話す」など、アウトプット型の回答も。
「私の場合一番効果があった勉強法は仕事です。仕事で『この人を説得しなければいけない』とか『絶対に情報を取らなければ』ということで、正しい英文を書かないと伝わらないし、相手を怒らせる言い方はいけないし、と必死でしたから」
英語ニュースを見て内容を親子で話し合ったり、海外の人と交流できるイベントに出かけたり、わが家にも「積極的な」英語学習を取り入れてみたい。
小川 剛=文
http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/po-20140721-13025/1.htm
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