2014年8月14日(木)8時22分配信 読売新聞
陸上のドイツ選手権で義足ジャンパーが男子走り幅跳びで優勝しながら、現在スイスのチューリヒで開催中の欧州選手権代表から漏れ、議論を呼んでいる。
健常者を抑えてドイツ王者となったのはマルクス・レーム(25)。14歳の時に水上競技のウエークボードの事故で右脚を失ったレームは、7月26日のドイツ選手権でパラリンピックの世界記録となる8メートル24の大ジャンプで優勝。しかし、ドイツ陸連は「装具が跳躍力を優位にした可能性がある」とし、レームを欧州選手権代表から外した。
レームは2012年ロンドン・パラリンピック金メダリスト。ロンドンでは7メートル35の当時の世界記録で優勝したが、今回はその記録を89センチも上回っている。
レームの装具は、ロンドン五輪男子400メートルに出場した両脚義足ランナー、オスカー・ピストリウス(南アフリカ)の義足に似たカーボン製。ピストリウスはスポーツ仲裁裁判所に訴えて五輪出場を勝ち取ったが、英BBC放送(電子版)は「今回の決定は、人工装具をつけた選手が健常者と戦うことに、新たな論議を付け加えた」と報じた。
AP通信によると、レームは「あらゆる手段を使って義足が不公平な優位性を与えなかったことを証明する」と話しており、今後の義足選手の五輪出場について、新たな論争が巻き起こりそうだ。(近藤雄二)
http://news.nifty.com/cs/sports/athleticdetail/yomiuri-20140814-50030/1.htm
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