なぜ、早起きを決意しても、翌朝は別人か

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(PRESIDENT Online ) 2014年8月11日(月)配信


■悪い習慣をやめるのは難易度が高い

あなたには、やめたい「悪い習慣」 はありますか?  

「悪い習慣」といっても、いろいろな習慣があります。一般的にどんな「悪い習慣」があり、どれだけの人がやめたがっているのか、ランキング形式で見ていきましょう。

このランキングは、私が発行するメルマガに登録していただいている方にアンケートを取った結果です。100人の方からご回答いただきました。


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Q あなたがやめたい「悪い習慣」は?(複数回答)

第1位:嫌なことを先延ばしする     51人
第2位:ネットやスマホに依存している  43人
第3位:つい食べ過ぎてしまう      24人
第4位:夜更かしで寝不足になる     16人
第5位:ムダ遣いをしてしまう      14人
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あなたに当てはまるものはありますか?

良い習慣を身につけるよりも、実は悪い習慣をやめる方が難易度は高いものです。

「やめる」ための方法を今回と次回の2回にわたりお届けしましょう。


■悪い習慣が生み出す悪循環

そもそも悪い習慣とは何か。悪い習慣とは、目先の欲望や誘惑に負けてしまい、長期的にみるとデメリットをもたら習慣です。悪い習慣は、連鎖して次の悪い習慣を生み出し、負のスパイラルで生活リズムを崩していきます。

例えばネットサーフィンのやり過ぎという、たった1つの悪い習慣が夜更かしを招き、朝寝不足で出社する。

その結果、集中力が低く非効率な仕事になり、長時間の残業になり、夜食を2回も取ることになり、体重が増えていく。これが習慣として定着していくと負の生活習慣ができ上がっていくわけです。

悪い習慣はなぜやめられないのか?

3つの観点から、その理由を説明していきます。


観点1  習慣引力の法則人間の脳はその生存本能から、「変化すること」に抵抗し、現状を維持しようとします。

悪い習慣であっても、一度「いつもどおり」と認定されたものは、脳が必死に維持しようとします。これが「習慣引力の法則」です。


観点2  意識・無意識のバランス脳の領域には、意識できる部分と意識できない部分(無意識)があります。

無意識の部分は、高いところに行けば恐怖を感じて足がすくむというように、いちいち意識で判断するまでもなく、自動的に生命を維持するための重要なプログラムが入っている領域です。

無意識のミッションは、現状を維持し、安全・安心を守ることです。

無意識は変化を拒否してあなたを必死に守ろうとし、意識は成長のために変わりたいと思うわけです。このせめぎ合いから、やめたいけど、やめられないというジレンマが生まれます。

そのような循環の中で悪い習慣をやめるためにはどうすればいいのでしょうか。結論を言いますと、無意識が「いつもどおり」と認識するまでやめ続ければいいのです。これこそが「やめる習慣」のメカニズムです。


観点3  欲望と理性の戦いもう少し心情的な理解をするために、今度は欲望と理性の観点で説明したいと思います。例えば早起きは寝る前に固く決意しても、翌朝には「明日からやろう」と別人になってしまいます。悪い習慣を断ち切るためには、欲望との戦いに勝利する必要があります。

欲望は理性よりも強いのです。特に最初の3週間は簡単な戦いではありません。


■悪い習慣が満たしている欲求を書き出す

悪い習慣をやめる3つの技術

1.こころの体力をつける

悪い習慣がやめられないのは、目先の欲望・誘惑に負けるからです。

「やめる習慣」を達成する土台として、目先の欲望・誘惑に負けず、自分の感情をコントロールしていく力が重要です。

ここでは、この力を「こころの体力」と呼びたいと思います。

「こころの体力」は、身体のそれと同じように「(1)筋力」と「(2)エネルギー」からできており、それらを育てることで高めることができます。

「(1)こころの筋力」は自制心、つまり欲望をコントロールできる根本的な力のことです。

「片づけ」「早起き」「運動」のように良い習慣を身につければ、パワフルな自制心が鍛えられ、こころの筋力がついてきます。

しかし身体と同じで、どんなに筋力があってもエネルギーが枯渇している状態では誘惑に負けてしまいます。そこで「(2)こころのエネルギー」が重要になります。

こころのエネルギーとは、1日分の精神的なエネルギーのことです。

こころのエネルギーを高めるためには、栄養をとって、よく寝て、リラックスできる時間を持つ。あと、過剰なストレスをなくすことです。


2.骨太の理由をつくる

悪い習慣を「何のために」やめたいのかという理由が強力であれば、目先の誘惑を乗り切りやすくなります。

骨太の理由を作る際は、「危機感、快感、期待感」というキーワードを切り口にして考えるといいでしょう。

1つめの「危機感」は、この習慣をやめなければ「こんな悪いことがある」というものです。コツは、自分の健康やそれによって悲しむ人を考えるといいでしょう。

2つめの「快感」とは、この習慣をやめれば「こんな良いことがある」という、短期的に得られるメリットです。たとえば、夜更かしをやめると、睡眠時間が確保できて快適な1日を送れるというようなものです。

3つめの「期待感」は、長期的に得られるメリットです。やめ続けることでどんな効果があるか、仕事、人間関係、健康、家族への影響などに広げて考えていくといいでしょう。

このように3つの源泉から、やめるための「骨太の理由」を考えてみてください。


3.苦痛を和らげるスイッチングの技術

悪い習慣がやめられない理由の1つは、その習慣によって満たしている欲求があり、一定の心理的メリットを得ているからです。

その心理的メリットを得る代替行動を用意しておくと、欲望との戦いはずいぶんと楽になります。

例えばタバコを吸うという行為を、ガムを噛むというような行為にスイッチング(代替)するのです。


■悪い習慣の「代替行動」を探す

スイッチングするには、大きく3つのステップがあります。

スイッチングのステップ1: 心理的メリットを明確にする一つの悪い習慣がどの欲求を満たしているかは、人によって異なります。まずは、自分がやめたい習慣から得ている心理的メリットを書き出してみてください。

その際、次の3つの質問を投げかけながら考えると、浮かびやすくなります。

質問(1) どんなときにその習慣をやってしまいますか?
質問(2) その習慣行動の直後、どんな気持ちになりますか?
質問(3) 心理的メリットまたはその習慣で満たせる欲求は何ですか?

スイッチングのステップ2 :スイッチング行動を考える次にスイッチング行動を考えてみましょう。

空腹に我慢できなくなったら、コーヒーを飲むのか、アメを食べるのか、色々試してみると効果的なものが見つかるはずです

スイッチングのステップ3: スイッチング行動を試すスイッチング行動が自分に合っているかどうかは、理屈ではなく「感情」で判断してください。また、いくつか組み合わせてみるのもお勧めです。

以上、今回は悪い習慣をやめる3つの技術をご紹介してきました。

次回は、悪い習慣をやめるプロセスを公開していきたいと思います。

習慣化コンサルタント 古川武士=文

http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/po-20140811-13176/1.htm

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