穂先タケノコ食べて元気に 県森林・食品研、特保成分の豊富さ解明

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北日本新聞 8月25日(月)1時31分配信

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ことし5月に開かれた穂先タケノコの採取体験会。子どもでものこぎりで容易に採取できる=氷見市指崎


 成長したタケノコの先端部で食用できる「穂先タケノコ」は、γ-アミノ酪酸(GABA(ギャバ))の含有比率が一般のタケノコより高い-。こんな結果が、県森林研究所と県食品研究所の調査で分かった。GABAは血圧降下や精神安定作用があるとされ、菓子などにも配合される。穂先タケノコの採取は里山整備につながることから、関係者は「体に良いことを知ってもらい、食用で普及すれば、放置竹林の解消にもつながる」と期待している。



 穂先タケノコは1~3メートルに育った竹の上部を切り落とし、その30センチ~1メートルを煮物などにして食べる。氷見市指崎では、住民でつくる指崎ふるさと資源活性化協議会が2年前から採取体験会を実施。谷内藤昭会長は「コリコリしておいしいと参加者に好評だ」と説明する。



 さらに、地中から掘り起こす一般のタケノコと違い、のこぎりで容易に採取できるため、負担の少ない里山竹林の管理法としても注目される。普及に向け、県はパンフレットで調理法を紹介している。



 しかし、食味成分や採取する大きさ、どの部分まで食べられるかなどの情報が少ないのが実情。そこで森林研究所(立山町吉峰)は2013年、食品研究所(富山市吉岡)に氷見市指崎と上市町須山で採取したタケノコと穂先タケノコで比較・分析を依頼した。



 食品研究所の寺島晃也主任研究員は、食味に関する23種類の成分の含有量や比率を比較。食味成分の重量当たりの総量はタケノコの半分以下だったが、特定保健用食品の成分の一つであるGABAの含有比率はタケノコより高かった。特に先端部は2倍ほどの比率を示し、量的にもタケノコを上回った。



 寺島主任研究員はリポートに結果をまとめ「うま味や健康機能性の上から有用性を期待できる食材であることが示唆された」と指摘。両研究所はことし、氷見市中尾を加えた3カ所のタケノコ、穂先タケノコを比較分析し、地域の違いなども調べる。



 竹は繁殖力が強く、手入れが行き届かないと隣接する森林を荒廃させるため、全国で問題になっている。県のデータでは、1975年に572ヘクタールだった県内の生産竹林が2008年には53ヘクタールに激減し、逆にごくわずかだった放置竹林は1071ヘクタールにまで拡大。森林研究所の大宮徹副主幹研究員は「分析をさらに進めることで、穂先タケノコの採取が里山に入るきっかけになれば」と話している。(氷見総局長・水野敏雄)




◆γ-アミノ酪酸◆

 ガンマ・アミノ・ブチリック・アシッドの頭文字をとって通称GABA(ギャバ)と呼ばれる。ほ乳類の神経伝達物質として機能し、血圧降下や精神安定、腎機能活性化、肝機能改善、肥満防止、アルコール代謝促進、消臭などの多様な生理作用が報告されている。近年、チョコレート、乳飲料、茶、酒、コーヒー、菓子などでGABAを配合する食品が多数販売され、売り上げは年々増加している。

北日本新聞社
最終更新:8月25日(月)1時31分


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140825-00005616-kitanihon-l16&pos=3

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