WHOが対策と予算措置を発表
Reuters
2014年08月31日
スイスに本拠を置く世界保健機関(WHO)の発表によると、現在西アフリカの4か国で猛威を振るっている、死に至る病、エボラ出血熱は、多くの地域に壊滅的な打撃を与えている。
エボラは西アフリカの4つの国の村々を次々に襲い続けており、すでに3000人を優に超える罹患者が報告されている。
WHOは、この死に至る疫病が恐らくすでに2倍から4倍の数の人に感染しており、伝染の蔓延が食い止められるまでにその感染者数は2万人を超えるだろう、との見通しを発表した。
10カ国以上に広がる恐れ
WHOでポリオ-緊急事態および多国間協力を担当する事務局長補佐官のブルース・アイルワード氏は、次のように語る。
「2万人などという数字は、エボラがいかに流行したとしても予想だにしなかった事態です」
WHOはエボラに対処するための活動資金として5億ドルの拠出を発表したが、この疫病はむこう6カ月から9か月間にわたり、10カ国以上に広がりかねないとの懸念を持っている。
これはもはや西アフリカだけの、ごく限られた地域の問題ではない、とWHOは断言する。全世界の人類の健康上の安全に脅威を与える問題として、国際的な対応が求められているのだ。
アイルワード氏は続ける。「これは大規模な業務運営になります。私たちは、様々な異なった地域の、非常な困難で危険に満ちた状況下で任務に当たっている1万2,000人以上の方々と連絡を取り合っています。費用も非常に膨大なものになります」。
WHOによる8月28日の声明はその直後から、大きな反響を呼んでいる。直前までWHOは、エボラの蔓延に対して対応があまりに遅すぎるとの批判を受けていたためだ。
計画を実行するのは誰?
しかし、自発的な医療活動を続ける国境なき医師団は、それでも疑問が残ると言う。この5億ドルの計画を、実際に実行に移すのは誰なのだろうか、と。
彼らの話を聞く限り、最大級の被害を受けている現地で最前線の活動を続けている組織は一つとして、決定的な影響を与えるに足る広範囲の活動を担えるほどの体制を、持ち合わせていないのだ。
http://toyokeizai.net/articles/-/46760
コメントする