なぜ都会のスーパーに並ぶ桃は柔らかいのか

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Excite Bit コネタ 2014年8月31日 10時00分
ライター情報:古屋江美子

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見た目にも硬いのがわかる採れたての桃!


もう今年のシーズンがほぼ終わりというところに、桃の話で恐縮だが、みなさん、硬い桃と軟らかい桃、どちらが好きですか?

筆者の故郷は日本一の桃の生産地、山梨県。この夏、実家に帰省した際は、桃を本当によく食べた。もちろん、自宅の近くでも桃は買えるが、都会のスーパーの桃は、トロリと軟らかい桃がほとんど。一方、山梨で食べられるのは、サクッとした歯ごたえが小気味いい硬い桃。個人的にはリンゴのようにシャキシャキした硬い桃が好きだ。

私に限らず、山梨県民は硬い桃が好きな人が多い。筆者の父も、「そりゃあ、桃は硬い方がうまいら」(※「うまいでしょう」の意味の甲州弁)と言って疑わないし、山梨の友人・知人に聞いてみても、みんな「桃は硬い方がうまいじゃん」と口をそろえる。なかには「あまりに硬すぎず、適度なシャキシャキ感があるのがいいな」など細かなこだわりを言う人もいたが、基本的に好みは硬め。「軟らかいのはドロドロしていてイヤ」という意見が圧倒的だった。

理由はなぜか? 単純に、山梨県は産地ゆえに新鮮で硬い桃が手に入りやすく、そのおいしさを知っている人が多いからだろう。長野出身の筆者の夫は「軟らかい桃しか食べたことがなかったから、桃は軟らかいものだと思っていた」と言っていたが、そういう人も多いのでは?

それでは、採れたての桃はどれくらい硬いのだろうか? 実際に、山梨で桃狩りに行ってきた。「ふっくら大きな桃を選んでね」という農園の人のアドバイスに従いつつ、桃を選ぶ。両手でやさしく採ってみると、ちょっとビックリするくらいに硬い。あえて指で押して確かめなくても、手に持っているだけで、その硬さがわかるほどだ。

収穫タイミングや桃の品種にもよっても差はあるが、基本的に「もぎたての桃は硬い」のだという。ところが都会のスーパーの店頭に並ぶまでには、少なくとも数日かかるから、その間に追熟が進み、軟らかくなってしまうのだ。

家に帰ってさっそく食べてみると、シャキシャキ硬く、そのうえ甘味もある。

これぞ、採れたての桃! という味わいに感動した。はりきってたくさん採りすぎので、さすがに一日では食べきれず、何日かに分けて食べたのだが、ちょうど丸1日おいた桃が、甘味と硬さがベストバランスだった。なお、桃は冷蔵庫に入れると味が落ちてしまうので、採ってすぐの場合は常温で置いておくとよいとのこと。もし、冷たい桃が食べたい場合は、食べる20~30分前に冷蔵庫に入れて冷やすとよいそうだ。

また、桃の品種によっても硬さに差はあるが、硬い桃が好きな人に「さくら」という品種がおすすめ。山梨では8月下旬ごろに旬を迎えるこの品種は、置いておいてもそれほど軟らかくならないらしい。

軟らかい桃が好きだという人も、ぜひ一度、産地で採れたての硬い桃を試してみては?
(古屋江美子)

http://www.excite.co.jp/News/bit/E1409136434055.html

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