科学的根拠とは何か2?

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 科学的根拠というのは「数値化する(数値化し他と比べる)」という事ですが、そういう事を考える前に、もっと大きな前提を認識しておく必要があります。

 それは
「原則とエビデンスを混同しない」
ということです。

 当たり前の事ですが、混同している人は相当数おられます。

 原則とは、「汎用性が広いものほど上位」になります。
 それに対しエビデンスは、「細かいことを突き詰めれば突き詰めるほど良い」となります。

 これらを混同すると、「昔のエビデンスは間違いだ。現在の方が詳しい」と考えてしまいます。


 まず、原則の一番大きなものに「相対性理論」があります。「引力の法則」なども原則です。

 これらには各種運動(スポーツやトレーニング、生理学)の原則すら包括されます。

 なぜならば地球の質量が違っていたら人間の構造が変わるでしょうし、そもそも生命が発生する条件に合致するか分かりません。

 質量が違えば抗重力の構造や筋力がことなり、重力( = 質量が大きい)と場合により水中生物しか発生し得ない条件や、(重力が小さいと)酸素が存在する条件が整わないため酸素を根拠にしている活動とは異なると考えられるためです。

 話が大きくなりすぎたので運動に戻します。


 運動やスポーツの大原則は、
「超回復(過回復)の理論」や、
「運動(トレーニング)の質に沿った方向にしか身体は変わらない」
というようなものです。

 運動やトレーニングの質を身体的(生理的、物質的)特性で捉えると、
「肥大」
「重量当りの出力割合」
「持久性」
の3つが大きな方向です。運動技巧は別なカテゴリーと言えます。

 そのため
1、「筋肉を肥大させる運動をしたら肥大する」
2、「筋力を増加させる運動をしたら筋力が向上する」
3、「持久力を増加させる運動をしたら持久力が増加する」
というのが身体的な大きな方向の違いとなります。


 次に、それに超回復(過回復)の理論が合わさると、

「運動(トレーニング)した方向に回復し、特性は以前の状態を越える」

となります。

 そのため
A、「筋肥大に繋がる運動(トレーニング)をすると筋肥大する」
B、「筋力増加に繋がる運動をしたら筋力が向上する」
C、「持久力増加に繋がる運動をしたら持久力が増加する」
となります。

 そのためこれら原則は現在の計測技術でいうような詳細なデータはほとんどありませんし、必要ないのです。

 細かいデータが必要になってくるのは、細かいデータを必要とする「エビデンス」なり「論文」となって初めて必要になります。

 超回復(過回復)の理論は日本ではよくトレーニングの本やページに出て来て、これ自体がもう 60 年かもっと前の原則ですが、それに対して「細かく書いていないからいい加減な理論だ」と考えたりするのは原則とエビデンスの捉え方や扱い方が間違っているから、といえるのかもしれません。

 

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