トレーニングの定量化3

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 20年くらい前は、医療でも定量化が始まったばかりだと思います。

 その当時は、定量化という均質が作れた訳ではなく、それぞれの医師の先生の個人的経験や技量に期する部分が多かったように思います。
 やがてデータを客観視し、数値で判断する割合が大きく広がり、数値に基づいて処置が進むようになってきました。
 そのため、個人的経験や技量で対応していた事が、経験に関わらず行えるようになってきました。

 高度な経験は高度な技術に用いられるようになり、やはりゴッドハンドの先生はいつの時代も居られます。
 
 
 
 では運動はどうか。
 運動には、「競技という技術要素」と、「トレーニングという身体要素」の二つが含まれます。

 競技の場合は、競技技術と身体要素の合計が、競技成績を左右します。
 競技の成績は優勝、準優勝のような相対的な数値で表す事が多いです。
 陸上競技や水泳などではタイムによって成績を表します。

 しかしこれらは技術要素と体力要素の合計のため、身体能力を分析して成績が分かるものではありません。
 そのため身体要素だけを計るのは難しく、競技成績というもので計る事が多いです。
 また、今回の主題の「トレーニングの定量化」と異なります。


 トレーニングの場合は、身体要素がほとんどで、これは行おうとすればほぼ数値化できるものです。
 そのため、ほとんどの要素はある程度狙って向上できるものです。

 そのためにはきちんと計測して客観的に判断する必要があります。
 例えば、トレーニングや身体に関連の深い指標や測定方法には、

・体重、体脂肪率(二重X線、CT、水中法、空中法)、皮脂厚、周囲径、筋断面積
・心拍数、運動時血圧、血中乳酸濃度、血液分析、呼気ガス(Vo2max)
・垂直跳びや各種走行系のテスト、柔軟性
・1RM 重量、反力、トルク、動作解析

などがあります。

 これらには、医療機関や研究機関でしか出来ないような測定もあり、そのようなものは現場で行うには荷が重いです。
 しかし、年に数回決めて行うような定時的な測定をしているかというと、これもあまり行われていないと思います。
 また、簡易に行える心拍系すら、現実的にはほとんど使用されていません。


 競技は上位になる選手は一部ですが、トレーニングは誰にも同じような率で発展する事が理想です。
 競技は個人に依る割合が高く、トレーニングは科学的に変化を求められるものと、それぞれは異なります。

 しかしトレーニングの現場を見ると、

・ある一定の期間の数値で結果を判断しているというよりも、都度の自分の納得で判断している割合が多い。

・経験で発展割合が大きく異なる。

・それが当たり前と思っている。

というような面が多く見られ、これでは「競技練習」と同じとなります。

 このような点が20年前と全く変わらないのでは無いかと思います。

 そのため「トレーニングの定量化」という考えが出てきにくいのではないかと考えています。

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