運動時の食事12 運動時のタンパク質の代謝と筋肥大に係るエネルギー

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1、タンパク質の再合成に使われるタンパク質量

 タンパク質は通常の生活強度で、体重 1kg あたり 1g がタンパク質の再合成に使われると言われています。

 これは主に筋肉や内臓や血液が分解されて再合成される事で成り立ちます。
 再合成されるのは、酵素やホルモン、別な種類のタンパク質となったり、血液が作られたりします(血液に含まれるタンパク質は多いです)。

 この分が全部消費されるのではなく、ある程度は体内に残るはずですが、髪の毛や爪や皮膚などに回る分も有りますので、筋肉とは異なる使われ方をします。

 このようにタンパク質は色々と使われるので、
「タンパク質は、(最低)体重あたり 1g を摂りましょう」
といわれてます。

 また、筋肥大を目的とするような強度な運動のほど代謝が上がる(エネルギー消費が増える)為ホルモンの分泌や酵素の発現量が増えると考えられ、また筋線維の破断は明らかに増えます。
 
 
 
2、タンパク質の筋肉内部での直接代謝

 また、あまりいわれないのですが、一部のアミノ酸は筋肉内で代謝そのものにも使われます。
 これは分岐鎖アミノ酸(BCAA)が主で、主としてエネルギーとして使われると考えられています。
 
 この具体的な消費量は私は知らないのですが、激しい運動をするほどその消費が多いのか、BCAA を摂るといろいろと具合が良く感じます。
 このアミノ酸の消費エネルギーは、4Kcal / 1g で計算して差し支えないでしょう。

 仮にこの消費が前述の 800Kcal の 16% の 128Kcal とすると(前述のPFC バランスを適用)、32g がエネルギー代謝として直接消費される事になります。
 
 
 
 これらにより筋肥大を目的とするような強強度の運動の際は、タンパク質の消費が平時より増えると考えられます。


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 以下はまったくの仮説です。

 上記の1、2を元に考えると、

 120g タンパク質を摂取した場合(今回は体重 60kg としています)、
・60g のタンパク質が通常の代謝サイクルで消費され、
・余分に 10g 同じ代謝サイクルで消費され、
・BCAA 等の 32g が筋肉内部で直接代謝され、
・残った 18g が筋肉の材料となる( = 水分を含み 90g の筋肉が合成される)

 1つ前ページの 80g とは異なりますが、おおよそこの様な数値ではないかと、経験的に考えています。
 
 
 
 また、筋肥大に必要となる炭水化物ですが、消費した筋グリコーゲンが補充されればそれで筋肥大の条件が整うかというとそうではない様です。

 「筋肉の合成に必要なエネルギー」
とでもいうのか分かりませんが、そういうものが有る様に感じます。

 筋分解や筋合成時は身体が長時間ぽかぽかするのを感じますが、このエネルギー元には脂質や炭水化物が使われています。
子供は大人に較べると体温が高いですが、筋肥大中は大人でも同じ様に体温が高いのは代謝の上昇に現れます。

 そのため、筋肥大を目的とする場合は、トレーニングで消費した筋グリコーゲンよりも多くの炭水化物を必要とし、また脂質も体温の保持に使われ、タンパク質もそれに相当する量が必要となるのではないかと考えています。

 ちなみに、強度の強いレジスタンストレーニングの特性を上手に利用すると、体脂肪の減少が早く、また減少率のコントロールが計算通りに近く行きます。ただし無酸素域でのトレーニング強度でそれが行え、また摂取をコントロールできる事が必須条件です。


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 このような筋肥大そのものに使われるエネルギー代謝のエビデンスは無いと思われ、またどのような方法を取ったとしても個体差や運動消費が一定の条件とならない為、データを集めて数値化するのは不可能に近いくらい難しい気がします。

 そのため
「筋肥大に足りる十分なエネルギーを摂取しましょう」
という説明になります。

 これを問題視する事自体が意味の無い事でしょうから、筋肉を肥大させたいときは十分な栄養を取って肥大させ、運動強度を変えたり、適時脂肪を減らすなどで対応する事が早くて良いでしょう。
 

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