トレーニングプログラムの組み立て方9 「達成すべき値」の設定

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 トレーニングでは様々な過程で数値目標が設定されます。
 また陸上競技や、重量挙げなどでは、数値そのものが競技成績での目標値になる事もあります。

 今回はそのような最終的な目標値の事ではなく、それぞれのトレーニングの場面において「達成すべき値」について書いていきます。


 トレーニングは、

> 最終的な目標
>> 今回のトレーニングの目的
>>> 今回のトレーニングで「達成すべき値」

で階層が重なります。

 この「達成すべき値」というのが都度の目標値に該当します。
 この数値は「叶わなくても良い夢」ではありません。
 これは根拠のある数値でないとなりません。

 ここに「夢の目標」をいれると何の根拠もない話しとなるので達成できないでしょうし、自分自身の達成率がどの程度なのかの目安としても使えないとなります。


 ところが初めて行うトレーニングは自分の中に指標がないため、根拠のある数値が上げられないとなり「やってみないと分からない」となってしまいます。

 このようなときは「平均的な向上率」を知っていると便利です。
 その「平均的な向上率」を「達成すべき値」の目安とすることが可能で、またそれは自分の指標となるので達成率が分かるので気持ちが楽になります。
 
 
 
 またトレーニングには期間(ピリオド)を設定すべきです。
http://hisajp.com/blog/sportsandwellness/2009/01/design-rt7.html

 それぞれの期間内に達成できる値を「達成すべき値」として設定する必要があります。

 トレーニングの期間が50年間というのはあり得ないので、
「3ヶ月間以下の短期的な期間で達成すべき値」
の様な短期ピリオドでの設定が、将来の目標を達成するに重要な要素となります。

「3ヶ月間では短すぎて分からない」という事はありません。
「じゃあ、1年間なら確実に説明できるのか」と言うとそういうこともなく、
「1年間あるのだから、どうにかなるだろう」と勘違いしているだけです。

 それらの決められた期間内でどこまで計画的に行えるのか、
「測定し、分析し、計画を立て、実行し、検証する」という経験を積んで行くとなりますが、簡単に言うと
「慣れと経験値からしてこうなるだろう」と考える事です。

 これが初めてのトレーニングであれば、前述の「平均的な向上率」で代用します。 


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 二つほど例を挙げてみます。


 例えばメタボ対策というのであれば、これは医療には該当しないところなので書かせていただくと、

 食事制限( -100Kcal/日)と軽い運動(-100Kcal/日)の両方で -200Kcal 程度を消費していくと、一ヶ月間で-6,000Kcal となり、それを2〜3ヶ月間程度継続して行うと、-18,000Kcal 程度の減量が行え、体重は 2kg 〜3kg 程度減ります。

 大体これで血液分析値は正常に近づきます。
 これらは一般的にそのような指導で言われている数値で、ほとんどの方が問題なく達成している数値です。

 そのためこれらの数値の、-200Kcal というのが日々の、-6,000Kcal というのが月々の、3ヶ月間では -18,000Kcal で体重は 2kg 〜3kg 程度減るというのが、それぞれのピリオドでの「達成すべき値」となります。


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 もうちょっとトレーニングに振ってみます。

 筋肥大が目的のレジスタンストレーニングだとすると、本来であれば周囲系や筋断面積の増加を指標とするべきですが、実はあまりそういう平均的な向上率の数値がありません。
 (ここに書く事は純然たる筋肥大を指し、やり始めすぐのころに訪れやすい「重い物に慣れてきたのでグイグイと挙上重量が増えている」という時期は含めません)。


 そのためこの場合は、「挙上重量の増加率」や「肥大時の体重増加」を代用し、

・「挙上重量の増加率」を使うのであれば、「2 ~ 4 週間で 10% の向上」となり、
・「肥大時の体重増加」を用いるのあれば、「男性は月に 5kg 程度、女性は 2〜3kg」という数値になります。


 そうすると、3ヶ月間での「達成すべき値」としては、

・挙上重量では「30 ~ 60% の増加」となり、
・体重では「男性は 15kg、女性は 6 ~ 9kg」が挙げられます。


 一ヶ月ごと、3ヶ月後の、それぞれの段階でそれに至っていない場合は、

・トレーニングが適正でない
・栄養が足りない
・休養が足りない

などに問題があると想定が出来ます。

 実際に男性で3ヶ月間で 15kg の増量となると、食べる行為自体が辛くなりますので、現実的にはもうちょっと少ないかもしれません。
 
 
 
 他にこのような代用できるものとしては、「全身持久力の向上」や「筋出力」などが考えられ、その率としてはどれも同じく「2 ~ 4 週間で 10% の向上」を目安として用いる事が出来るでしょう。
 
 
 
 また、こういう数値は身体が上限に近づいているような場合はなかなか向上しないですが、その段階になっていれば自己の経験値が積み重なっているので、このような一般例による外部比較はあまり必要がなく、自己の達成度が目安になります。

 また、そのような場合でも、血液分析などを用いれば、もうちょっと内容を詰める事が出来ます。


 明らかに青年層より食欲が落ちていると思われる高齢者の方の場合は、もうちょっと数値が落ちるかもしれませんが、そのような方を対象としたピリオドを伴う平均値は、現時点では私の知る限りありません。このような場合では若干差し引いて考える様な事で良いのではないかと思っています。
 
 
 
 このように、あまり経験のないトレーニングをする場合は、何らかの指標を代用する事で達成率が分かりやすくなります。

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