トレーニングプログラムの組み立て方33 番外編

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 競技のトレーニングをしている人よりも、競技以外のトレーニングをしている人の方が、割合としては遥かに多いと思う。
 
 
 
 競技選手の場合は、年齢的な制限が現実としてあることや、他者より良い成績を出すトレーニングを行う必要があり、またそれが何らかの数値(成績)で他選手と比較される。
 人によってはそれが年収や将来設計にも関与してくる。
 そのため早いうちになるべく良い成績を出したいが、かといって若すぎるうちに負荷をかけすぎると、自ら芽をつぶしてしまう。
 ある程度進んでからもハードなトレーニングや練習を継続する必要があり、健康度としては不確かなところもある。


 次に、競技選手と一般の人との中間のようなところとして、音楽や俳優のような職業がある様に思う。
 この場合は、年齢を重ねてもそれが売りになり、絶対的な比較出来る成績が存在しないので同業他者とそのまま競合する訳でもない。視聴率などの数値もある。
 健康的なものとしては本人の生き様や芸風に因るものも含めて芸とも言えるので、他人には何とも言えない。ただしファンの健康意識に対する好き嫌いはある。
 ただしアクション系や、モデルや女優のような方向であれば、若いうちに作っておいた方が後々良い様にも思う。


 一般的な人の場合は、他人との対比で身体やパフォーマンスを較べられる事はほとんどなく、また時間(年齢)の制限は上記と較べ緩い。トレーニングの結果で給料が変わる事はほぼ無い。
 年齢的にいつから始めても向上する。
 身体を壊すような熱中をする人もいるにいるが、健康を害しても行うような必要は無い。
 
 
 
 選手を長年続けていると、どうしても疲れを感じる時がくる。
 この疲れとは身体的な疲労と言うより、自分の力で先を進めなくなるときの無力感に近いのかもしれない。

 私が子供の頃は、例えばプロ野球選手はほとんどが30歳台半ば迄に引退していた。40歳と言うのはほとんどいなかった。
 ところが今は40歳代がぞろぞろいて成績も保っている。ピークが遅くなっている。メジャーだと特にそうだ。

 トレーニングや栄養、医療の技術の進化で、どの競技に関わらず競技生命は明らかに伸びている。
 そのため周辺技術としては選手生命を延ばす方法は以前より遥かに多いし、これから先はさらに増えるだろう。

 だとしても疲れを感じる時が来る。そのときが引退の時なのだろう。
 
 
 
 舞台関係者には、引退が無いか、あると言えばあるが自分に疲れて止める事はあまり無い。

 「良い芸を見せられなくなったら辞める」という人はたくさんおられるが、
「次はもっと良くしてやる」という気持ちが常にあるので、何か失敗したとしても、次が待ちきれなくてウズウズしてしまう。

 人に寄っては、生活は車いすだが舞台に立つとしゃきっとされる方もいる。
 これはすごい。

 苦労は人に見せないのが粋ってもんだ。
 汚い芸は大嫌いだ。
 

 
 私の中で競技や舞台と言うのは相当近い。
 スポーツでもコンサート(ライブ、発表会)でも、子供の頃は本番が近づくとドキドキして失敗を恐れてしまうが、それを生活の糧としているとそれがやがて普通の生活になってくる。

 スポーツも芸事も、自分の普通の生活の中で磨くものになって、初めて見えてくるものがある。

 ある意味、職人なのである。
 工芸や匠のような、プロとプロが技をぶつけ合う場なのである。
 全員が専門職としての雇員みたいなものである。
 そういう人同士が本気でぶつかるからチームとして良い結果が出せる。

 ある意味、フツーの会社に非常に近い。

 しかしワクワク度が全然違う。
 時たまの本番と言うのと、毎日の仕事が本番と言うのでは、見え方が全然違う。


 旅行中に皿の工芸所に行って時たま良いのが作れて陶芸が好きになったとしても、毎日高く売れるものを作るのは厳しい。
 ライバルがいつのまにか出てくるし、それに迎合するわけにはいかないが、置いてかれる訳にも行かない。


 そういう中でワクワクしながら仕事を進めていくのがプロなのだろう。 
 失敗も成功も楽しい。
 努力が大事なのは分かるし結果が出れば嬉しいが、さぼりたくなる事もある。

 どんな状況でも、どんな仕事でも、毎日ワクワクしている人はたくさんいる。
 スポーツや舞台だけが特別なわけではない。


 だれもが、4年に1回なら緊張する。
 だれもが、優勝決定戦なら緊張する。
 だれもが、この人は大物だと思えば緊張する。
 だれもが、毎日緊張する。

 でもこういうのって、自分で勝手にそう思い込んでいるだけだ。
 冷静に考えなくても、そんなもんである。
 今から4年後を思い浮かべて緊張する事は出来ない。
 しかしその場に立つと緊張する。

 そういう曖昧な中で生活しているのが人間なんだろう。
 
 
 
 でもその中で毎日ワクワクしている。
 そういうワクワクが何年も続いて、やがて大きなチャンスにあたる事もある。

 こういう世界にしたいのなら、みんながそれなりにしないと、作っていけないのである。
 こういう気持ちは大事にしないといけないと思う。

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