人間の発熱 2

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 今回は成人での話しです。

 「同じだけ食べて、同じだけ活動しているのに私だけ肥る」
というようなお話を聞く事があります。

 これは
 「同じだけ食べている様に見えても、多く食べているからです」
 「痩せている人は、実際は活動量が多いのです」
と言われてきましたが、私はそれには昔から懐疑的です。

 数年前に
 「どうやら人により +-20% 程度の代謝の幅がある様だ」
というのが分かって来た様です。

 しかしこれが何に因るものなのかはまだ分かっておらず、基礎代謝のような一日を通じて活動しなくても生じるものなのか、何らかのきっかけで発熱が生じやすい体質があるのか、それとも思いもよらぬ別な方法で代謝(消費)をしているのかなどは分かりません。

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 例として良く信じられている話しを挙げます。

 「学者」は運動量の少ない仕事の一つと思われていますが、私の知る先生には良くお食べになる方が多いです。かつあまり肥られていないです。

 これは
「脳みそは糖質しかエネルギーとしないし、頭を使うという事は糖質を必要としているから、ご飯をたくさん食べても肥らない」
という説明で何となく納得してしまいますが、元々脳みその必要とする糖質は 5g/h (1時間当たり 20Kcal )程度ですから、それが学者はよく考えるから2倍必要だ、とはならないと思います。

 また、頭脳を使うと糖質の消費が増えるという事自体が証明されていません。
 それなら脳みその重量で計算する方が適切な気がします。
 だからどちらもあまり関係ないのでしょう。

 それよりも大抵の学者の先生方はあっちこっち動き回るので(教室、研究室など)、身体活動量が多い為ではないかなあと私は思います。


 このような「一般的に信じられやすい事」は実際に正しいかどうかはよく分からないのです。何となくそうらしいと思う事が、何の疑いもなく信じられている事が多いです。


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 話しを戻します。

 さて、
 「人により +-20% 程度の代謝の幅がある様だ」

というのが分かってきましたが、これで 50kg 程度の人の基礎代謝を 1200Kcl/日 として当てはめて計算してみると、+-240Kcal の幅があるので、960 Kcal 〜 1440 Kcal となり、上下最大幅の差は1日当たり 480Kcal になります。

 この 480Kcal という数値は女性の方の八分目くらいの1回の食事とほぼ同じカロリーです。

 「一回分の食事に相当するだけのカロリーを摂っても変わらない」となると、「肥りやすい」と思っている人にとっては夢のような話しです。


 この差は本当らしいのですが(というか、そう言う研究例があり、それを元に考えるとそういう風になる訳です)、果たして何が原因でそういう現象が生じているのかが分かりません。

 体質的なものなのだと私は思うのですが、体質だけを挙げるとしても
・遺伝子にさかのぼるのか
・成人しても BAT が多く残っていて発熱が多いのか
・今までの活動の結果、体内酵素の種類が違うのか
・今までの活動の結果、食事誘発性体熱生産(DIT)や運動後過剰酸素消費現象(EPOC)が生じやすくなっているのか

位の幅があって、元々どうにもならないものなのか、大人になってからではどうにもならないのか、それとも遺伝子療法の様な方法でどうにかなるのか、または難しい運動でどうにかなるのか、全く持って安易な方法でどうにかなるのか、そういうのは追っていかないと解明されない訳です。

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