女性のトレーニングの特有点 3、骨格筋量が 1% 増えると、出力はその数倍増える

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 今回は男女に関わらずの筋肉の話しである。
 これをしないとつぎに進めない。


男女の筋肉増加割合

 さて、おなじみとなった表を再度使わせていただく。

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男性

身長 168cm
体重 65.9kg
平均 BMI 23.34

骨格筋量(45%) 29.7kg
体脂肪(20%) 13.2kg 
臓器骨格(35%) 23 kg

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女性

身長 155cm
体重 53.5kg
平均 BMI 22.26

骨格筋量(35%) 18.7kg
体脂肪(25%) 13.4kg 
臓器骨格(40%) 21.4 kg 
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 これが平均的な男女としよう。
 
 この状態から筋肥大トレーニングを理論的に行ったとすると、男性の場合、1年間で体重が 10kg くらい増える。


 「女性の場合は男性と較べ筋肥大しにくい」と言う説明を見かける事があるが、私はあまりそう感じない。

 私なりに書くと、
・女性は男性とくらべ、肥大スピードは若干落ちるかもしれないが8割はいく
・女性は男性とくらべ、早い段階で、増量期間、増量体重ともに頭打ちがくる
と言う具合だ。

 明確なエビデンスを持って言うのではないが、
・男性は1年で10kg 増え、2年目に 5kg、3年目に 3kg のように増加し、10 年間以上掛けて最終的に 20kg かもっと増える
・女性は1年で8kg 増え、2年目に 2kg、3年目にはあまり変わらなくなり、数年間で 10kg くらいで頭打ちになる
という感じである。もちろんこれは体重比なので、元々大きな人の絶対量はもっと大きいと思う。

 生理的には女性にはもっとポテンシャルがあり骨格筋量は増えるのだと思うのだが、そうしたい人があまりいないような気もするので、ちょっと分からない。
 どこかでトレーニングの質と量や摂取量を落としているように、何となくそう思う。
 なぜなら、摂取量を制限しない(食べ過ぎ)での重度肥満は、双方ともあるからである。原因が肥満でも、活動(仕事などの労働)をしている限り、体重が増えるときは骨格筋量は大抵比例して増える。

 また、性別に関わらず、ある程度から上はなかなか増加しない。
 
 
 
骨格筋量が 1% 増えると、出力はその数倍増える

 「骨格筋量が 1% 増えると、出力はその数倍増える」
と言う件だが、ほとんどの皆さんはそのように感じておいでなのではないかと思う。

 これは最初の順応期は含まないが、それ以降の筋肥大期の出力(挙上重量)は、体重増よりも遥かに増えるのが実際である。

 例えば、男性の場合、何もトレーニングしていなくても、ベンチプレスは大抵体重くらいは挙上できる。
 今回は、トレーニング経験の無い体重 65kg の男性は、ベンチプレスで 65kg を1回挙上出来るとしよう。

 さて、その後トレーニングを積み体重が 75kg になったとする。
 その場合、ベンチプレスの挙上重量は、100kg かもっと増える。130kg くらい迄いくかもしれない。

 この場合、増えた 10kg の 20% のうち体脂肪率が同じだとすると、8kg が筋肉となる。
 この増えた分は大胸筋や上腕三頭筋だけに付くのではなく、大腿や臀部にも付く。
 逆に上半身だけのトレーニングだと、1年経ても 5kg 程度しか増えない。多分もっと少ない。

 その 8kg の筋肉のうち 3kg が上半身に付いたとしても、胸と肩と腕などのベンチプレスに直接必要な部位で 2kg の筋肉が増えたとしよう。
 ベンチプレスに直接使う部位の筋肉が 2kg 増加したとして、100kg くらいのベンチプレスは挙上できたとすると、挙上重量は最低 35kg くらいは増え 150% に至るのである。

 計算が面倒なので、その部位の筋が 2kg 増えて、挙上重量は 40kg 増える。
 こういう計算が適切なのかどうか何とも言いにくい気がするのが、効率は 20倍(2000%)となる。
 
 
 
骨格筋量が 1% 減ると、出力はその数倍減る

 これはそのまま逆にも当てはまる。

 女性の場合、トレーニングをしていない方がベンチプレスをすると、体重の 50% まで届かない事が多い。体重 53.5kg として 30kg (56%)はかなりきつい。やはり 25kg くらいが精一杯であろう。

 素の状態のこの例の男女を較べたとして、ベンチプレスでは、男性は体重と同じだけ(100%)を挙げ、女性は体重の半分くらい(50%)しか挙げられない。

 体重差は 81% で、骨格筋量は 62% で、体重比挙上重量は 50% となる。
 体重や骨格筋量の減少率よりも、体重比割合の挙上重量の減少率が遥かに大きい。

 骨格筋量が 1% 減ると、出力は数倍減る。

 男性が 20kg プレートを片手で交換しても、女性にそれが難しいのは当然なのである。
 
 
 
筋肉は効率が良い機関

 要するに、筋肉と言うのはすごい効率の良い機関で、1% 増えると出力はその数倍増えるのである。


 この先があり、もっと面白い話しになる。
 このあと、女性の優位点が出てくるから、ちょっと待ってほしい。

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