タンパク質 6、アミノ酸の化学構造、体内での再合成、アミノ酸スコア

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アミノ酸の科学構造

   H
   l
 RーCーCOOH
   l
  NH2

 アミノ酸は、一つの炭素(中央のC)カルボキシル基(右のCOOH)とアミノ基(下のNH2)、水素(上のH)が付き、アミノ酸側鎖(左側のR)からなっている。

 このRの部分が何が付いているかによって、アミノ酸の種類が異なる。


 食事などから摂取したタンパク質は、アミノ酸(またはペプチド)の形で吸収された後、必要に応じ体内で別な種類のタンパク質に再合成される。

 体内にあるタンパク質は、体重の約 20% といわれ、筋肉、内臓、血管、リンパ管、皮膚などから、髪の毛や爪もタンパク質から出来ている。
 また、関節(関節包)内部の軟骨や、骨や骨の内部、腱に含まれるコラーゲンもタンパク質である。
 コラーゲンはあらゆる細胞に含まれている。
 また、血液やリンパ液にもタンパク質は含まれている。

 そのような器官などの材料となる他に、酵素やホルモンの材料にもなる。
 また免疫を司る免疫抗体は、すべてタンパク質から出来ている。


 このような器官の元となるタンパク質は、その元となるアミノ酸から構成されている。アミノ酸が体内で再合成され、現在の身体となっている。

 また、アミノ酸は身体を構成するとともに、血液やヘモグロビンの合成、エネルギー代謝、クレアチンの前駆体、神経伝達物質の前駆体、記憶(の補助)などにも関与している。


 前回説明した9種類ある必須アミノ酸だが、幼児期、学童、成人と年齢にしたがい体重 1kg 当たりの必須量は減ってくる。

 ヒスチジンは幼児期の必須アミノ酸だが、学童期以降は必須でなくなる。
 アルギニンは幼児期は必須アミノ酸で、その後は準必須アミノ酸となっている。

 必須アミノ酸が一つでも不足すると、タンパク質の再合成が正しく出来ない為に、身体器官が正常に成長しなかったり、または機能が正常に働かなくなる。

 必須アミノ酸がバランスよく含まれているかどうかは、「アミノ酸スコア」が指標となる。8種類(幼児は9種類)の必須アミノ酸が、それぞれ必要量満ちているものが「アミノ酸スコア100」となる。

 ある食材で必須アミノ酸のリジンが 90 だとすると、他のアミノ酸が 100 またはそれを越えていたとしても、90 しか働けないとなる。この食材のアミノ酸スコアは 90 となる。
 この様な場合、同時に摂取した別な食材にリジンが 110 含まれているとすると、それにより補えるとされている。


 動物性のタンパク質の多くは、アミノ酸スコアが 100 である。
 また大豆(ソイ)タンパク質のアミノ酸スコアは以前は不足していると考えられていたが、現在は 100 とされている。
 これらアミノ酸スコアが 100 のタンパク質は、ほぼすべてが効率よく体内でのタンパク質の再合成に活用されている。

 植物性のタンパク質は、リジン、メチオニン、スレオニン、トリプトファンが不足している事が多い。このため、ベジタリアンの場合は、アミノ酸のバランスに気を配る必要があるといえよう。


 
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