運動時の食事8 増量時のエネルギー摂取量その2(トレーニング強度含む)

| コメント(0)

 下記ページの中程に6時間運動をした場合の概算カロリーが書いてあります。
http://hisajp.com/blog/sportsandwellness/2008/05/sports-and-meal-2.html

 同じ物をコピーします。
=============================================

 男性、20代、体重60Kg、基礎代謝1500Kcalとして、大まかな例を挙げると、

 基礎代謝  8時間 = (1500/24h) * 8h = 500Kcal
 活動代謝 10時間 = (1500/24h) * 1.5 * 10時間 = 62.5 * 1.5 * 10h = 937.5 Kcal
 運動代謝  6時間 = 400 * 6h = 2400Kcal
----------------------------------------------------------------
合計 = 500 + 937.5 + 2400 = 3837.5 Kcal

=============================================

 この消費量でこのカロリーを摂取した場合、身体組織の増減は無いです。
 これは運動量に関係なく、単に摂取と消費の差し引きの問題です。

 この位の消費量は運動している場合は通常にあるレベルです。現在のレベルでは少ないかもしれません。
 
 
 
 増量(筋肥大)の様な基礎的なトレーニングの場合は、それに特化する場合はなるべく他の事はしない方が効率が良い様に私は感じます。

 ボディビルダーの場合はそれも可能です。
 他の競技選手の場合は競技練習を伴うのと、筋肥大がメインではなく、競技能力も向上させるトレーニングも有るので、基礎歴な増量トレーニングだけを行う事はほとんど有りません。
 
 
 
 今回は筋肥大(増量)トレーニングに限定して行う場合の摂取量を考えてみたいと思います。

 筋肥大トレーニングを集中して行えるのはせいぜい1時間30分程度です。
 またトレーニング密度が高いほど内分泌系(ホルモン分泌)へ与える影響も多いです。
 逆に言うとそれを保てる継続時間がせいぜい1時間30分程度なので、それ以下で終えた方が良いとなります。

 トレーニング時間と筋肥大に関するこ具体的なエビデンスは存じませんが、経験者の方は1時間もしてくるとやがてダレてくるのを感じると思います。

 そのためトレーニング時間はアップとクーリングなどの前後を含めて2時間とし、運動活動エネルギーは平均 400Kcal / h として、他の条件は前回と同じで計算します。

=============================================

 男性、20代、体重60Kg、基礎代謝1500Kcalとして、

 基礎代謝  8時間 = (1500/24h) * 8h = 500Kcal
 活動代謝 14時間 = (1500/24h) * 1.5 * 14時間 = 62.5 * 1.5 * 14h = 1312.5 Kcal
 運動代謝  2時間 = 400 * 2h = 800Kcal
----------------------------------------------------------------
合計 = 500 + 1312.5 + 800 = 2612.5 Kcal

=============================================

 これに寄ると、2612.5 Kcal が一日の消費量となります。

 消費量と同じ量を摂取すると、体重の増減は無いので筋肥大は起こらないので、それでは増量トレーニングをする意味がないです。
 健康運動としてはそれでも良いのですが、増量と言う目的は達成でき無い為に、それでは失敗となります。
 
 
 
 筋肥大(増量)を目指す場合にはどの程度の摂取が必要かの、明確な計算式は有りません。
 私のお勧めしている方法としては、
「運動消費の分をさらにプラスして摂りましょう」
というものです。

 そうすると、
=============================================

 男性、20代、体重60Kg、基礎代謝1500Kcalとして、

 基礎代謝  8時間 = (1500/24h) * 8h = 500Kcal
 活動代謝 14時間 = (1500/24h) * 1.5 * 14時間 = 62.5 * 1.5 * 14h = 1312.5 Kcal
 運動代謝  2時間 = 400 * 2h = 800Kcal
 増量分            = 800Kcal
----------------------------------------------------------------
合計 = 500 + 1312.5 + 800 +800 = 3412.5 Kcal

=============================================

 と、なります。
 タンパク質量が 2g/kg として 120g (480Kcal)が必要となりますが、それだと PFC バランスに締めるエネルギー割合は 14% となり若干少ないので、140g (560Kcal, 16.4%)くらいは必要になるでしょう。

 感覚的には、この程度摂っていればそんなに問題なく増量が進む様に思いますが、ちょっと足りないかもしれません。


 増量時のトレーニングは、心拍数の上がり方やエネルギー消費の密度からすると多分一番強度が強いと思います。
 プライオメトリクスや OBLA を越える走行などはそれはそれで強いですが、内分泌系に与える影響や、全身の虚脱感を伴うような疲労感は少なく感じます(ただし私感です)。

 基礎的なトレーニングはレジスタンストレーニング(ウエイトなどを用いるトレーニングの総称)で行う事が多いです。これは増量(筋肥大)時や筋持久、筋出力向上の様な、筋肉を増やしたり筋肉の特性を変える(向上)させる為のトレーニングで用いられる事が多いです。

 この強度の目安は、スクワットやデッドリフトの様な多くの関節を動かす多関節種目(すなわち多くの筋肉を動員する)の場合、トレーニング中の心拍数は 160拍/分程度を越え、無酸素域に至る必要が有ります。
 また、セット間休憩で下がっても 120拍/分 程度までとして、次のセットに入るとあっという間に元の 160拍/分越えさらに上がり、セットを何度か繰り返すうちに年齢危険値に至る場合もあります。

 セット間休憩で徐々に心拍数が下がらなくなる頃に規定のセット数が終わり「助かった」と感じ、しかしほっとする間もなく単関節種目で追い込んでパンパンにして、やがて集中力が途切れてくるので危ないので止める。そこまでが1時間。
 という様な強度になります。冗談でなくて本当にこのくらいの強度が必要です。


 そのような強度の、本格的なレジスタンストレーニングの場合には、増量目的に限らず筋持久や筋出力向上トレーニングのいづれでも、満腹になるまで食べても追いかなく、筋肉と脂肪の両方が減っていくことがあります。
 そのため増量の場合にはさらに大変で、満腹になった上で無理くり食べてどうにか増量になる、という感じです。


 脂肪だけが増量する場合や、脂肪の比率が多い増量の場合は、これはちゃんとしたレジスタンストレーニングになっていなく、
「ウエイトを用いた有酸素域でのトレーニングをしていて、なおかつ食べ過ぎている」
というものでしょう。

 その様な方のトレーニングを見てみると、上記のような強度には全然至ってなく、ダンベル体操というような感じです。
 それで食べ過ぎれば脂肪が増えるのは当然です。

 こういう場合は目的に沿っていないので、トレーニングプログラムの強度や組み方や指導、および栄養管理に問題があるとなります。
 そのような問題に至っている方は、まずは運動強度がその程度に至っているかどうかを確認してください。

 また、本格的な増量トレーニングの経験が無い方に限って、
「筋肉とともに脂肪がつくのは嫌なので、筋肉だけ増える様に栄養を制限しています」
と要らぬ心配をして、本質とは違う事を期待する場合が多いです。
 一度本格的なトレーニングを体験すると、
「毎日喰い続けて体重を増やすのは、こんなに大変な事か。どんなに食べても減る」
と変わります。
 
 
 
 この様な無酸素域強度のトレーニングや運動は心不全に繋がる場合が有りますから、そのような経験の無い方は、健康管理を含めて指導が出来る指導者に付いて行うのが良いと思われます。

2014/11/20 改訂
2008/9/20 初版

コメントする

アイテム

  • grapefruit_half.JPG
  • banana200g.JPG
  • bread120g.JPG
  • rice160g.JPG
  • rubber.JPG
  • 080824bf.JPG
  • 090311dounyuukyoudo.jpg
  • 090312honkakukyoudo.jpg
  • 090313itarumeyasutomosikizu.jpg
  • 090515_kinhidai_no_mosikizu.png
  • 091006kinsyu_to_ketuatuhenka.png
  • physical_level.png