トレーニングプログラムの組み立て方14 指標となるもの1 血圧と心拍数

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1、血液に関するもの


血圧と心拍数

概要

 血圧や心拍数は手軽に計る事ができ、健康状態の確認などに使いやすいものです。

 心拍数が上がり上限心拍数(220-年齢)を越えると、頻脈性不整脈を発生させ突然死に至る可能性があります。
 心拍数は様々な要因で上がるので、安全を保つために上限値を超えない様にします。

 また疲労度や運動強度や、心肺能力のバロメーターになります。
 疲労度や運動強度は、様々な時点で心拍数等で管理する事が多いです。

 運動中の心拍数に寄る運動強度の計算はカルボーネン法で計算することが一般的です。

 「有酸素域 < 閾値(LT、AT、OBLA域)< 無酸素域」の順で運動強度は強くなります。

 また運動強度の目安として「ボルグの指標(主観的運動強度、RPE、修正RPE)」を用いる場合があり、これは心拍数と相関性が高いと考えられています。


 高血圧は成人病のバロメーターにもなっています。
 塩分をとり過ぎると体内の水分保有量が上がるため直接的な血圧が高くなるとともに、また動脈硬化などの原因になると考えられます。
 そのため日頃の血圧管理が重要です。


 このようなものを計る事で現在の身体の状況が分かりますので、その数値があまり良くない場合は、食べ物や運動強度を調整したり、休養するなどし、トレーニングの効果が出やすくなる様に、また健康や安全を保つ様にすると良いでしょう。


測定方法や、変化の要因

 血圧と心拍数はいくつかの計り方がありますが、通常は「安静時」といって、自発的意識がある(目がしっかり覚めている)状態で座って計ることが多いです。

「寝ているとき < 目が覚めているが横になっているとき < 座っているとき < 立っているとき < 運動しているとき」
の順番で上がります。
 血圧もほぼ同じ変化をしますが、これは心臓の位置との関係や、運動の質で変わります。
 通常は心拍数が上昇するに従い上昇し、ある一定の心拍数に達すると血圧は頭打ちになり、心拍数のみが増えます( 160拍/分程度でこうなると考えられています)。
 怒責(バルサルバ、下記参照)をするとそれでも替わりますので、ウエイトを用いるようなトレーニングでの特徴もあります。


 また、これらは
「栄養が足りているとき(増量時)、食事中と食後、緊張時や気が張っているとき、お風呂入り始め、血管が狭いとき(活動していないとき)疲れが残っているとき」などは上がります。

「栄養が不足しているとき(減量時)、お腹がすいているとき、気が緩んでいるとき、お風呂に入って温まった頃、血管が広がったとき(活動時)、健康なとき」などは下がります。


「放尿や排便、吐息などの出しているとき」は下がり、
「息を吸ったり、水を飲んだり、物を食べたりしているとき」は上がります。
「我慢して止めているとき」は上がります。


 疲労が非常に溜まっているときの心拍数は、一般的に考えるのとは逆に低くなる場合もあります。
 そのため、寝起きの心拍数が低くても、判断基準とならない事があります。
 このような場合、心拍数のそれぞれの間隔のずれ幅を心電図や精密な心拍計(ポーラル等でもあり)で計りますが、それぞれのずれ幅が小さいときは健康で、そうでないときは疲労が溜まっていると考えます。


 心拍計での別な例を挙げます。
 心拍数がある一定の数値からある一定の数値まで下がる時間を計測します。これは例えば、160から 120 まで下がる時間を計り、その時間が短くなったら心肺機能が向上したと考えます。
 また、レジスタンストレーニング等の場合は、同じトレーニング強度だとしたらその姿勢が「寝ておこなう種目 < 座るもの < 立ち居」の順で、心拍数が上がります。
 通常レジスタンストレーニングの休憩は時間で計る事が多いですが、心拍数を計り進める事で正確に管理が行えます。これはセット間などの休憩である一定の心拍数にまで下がったら次のセットを再開します。


 アルコールは下がる場合と上がる場合があります。傾向としては、血管が広がり血圧が下がりそのため頻脈となる様です。
 タバコは分かりません。


 高血圧の方が血圧を下げる薬を服用している場合、強度な運動をしても血圧が上がらないに働く事もあり、そのために頻脈性不整脈に至る場合が考えられます。
 また、血圧の薬に関わらず、治療の為の薬はそのように働く面も合わせ持ちますので、薬を服用されている方は運動を始める前にお医者様に相談し、可能な運動強度を確認してください。


 通常、運動をしていると安静時心拍数は下がる傾向にあります。有酸素運動の場合はそうなりやすいです。
 また、スポーツをしていない方で 50 拍/分間位以下の場合は、それは心臓に何らかの問題がある事もありますので、医療機関に相談してください。

 心臓弁膜症などでは軽い負荷の運動でも心拍数が著しく上昇する事もありますが、それは負荷心電図で確認します。

 また、アスリートを含め、直接法の運動負荷テストで計測すると心肺能力が正確に計れます。
 東京体育館で行っている例です。 http://www.tef.or.jp/tmg/guide/consul.html (リンク先不明のためリンクを外しました)


 立ちくらみは、血糖値やヘモグロビンが低い場合や、上記のような理由で血圧が低いと症状が出たりします。そのため運動後などで体温が高いときは健康でも立ちくらみが出る場合もあります。健康のため医療機関に相談しましょう。


 血圧はウエイトを息を止めて挙上する「怒責(バルサルバ)」の際に最も上がると考えられ、最大で 400mg/Hg くらいにまで達するのではないかと考えられています。
 これはたとえばウエイトリフティングやパワーリフティングで最大挙上重量に挑む際に発生し、10RM 重量などでスティックングポイントを超えるときに短時間息を止めるような場合はそこまでは至らないだろうと私は考えています。

 しかし、運動に慣れていないうちはどのように働くか分からない為に、最初暫くは怒責は行わない様にすべきでしょう。


2014/11/4 改訂
2009/1/10 初版

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