トレーニングプログラムの組み立て方25 指標となるもの12 様々な検査結果を基準にし、全体を見る

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12、様々な検査結果を基準にし、全体を見る

 今までに上げてきた指標は既にご存知のものがほとんどだと思います。
 これらの指標は、

1、健康状態に関するもの
2、統計的なもの
3、パフォーマンスを表すもの
4、その他

に分類されますが、それぞれが互いに絡み合うものです。


「健康状態とパフォーマンスがどう結びつくのか?」
と感じる方もおられると思います。


 例えば、パフォーマンスの伸びが悪いと感じている方が相談に来られたときに、

「トレーニング内容や、目標値の設定は問題ないですか? 
 食事や休養はきちんと出来ていますか? 
 健康面は問題ないですか? 血液検査はいつ頃されました?
 何が最大の疑問ですか?」
とお聞きすると

「トレーニングは問題ありません。
 食事は自分で考えているので問題ありません。睡眠も問題ないです。
 何年か前の健康診断で問題ないと言われたので、健康面は大丈夫です。
 自分が知りたいのは、どうして自分の願うパフォーマンスに達しないかという事を、科学的に知りたいのです」
の様に言われる方がおられます。


 問題がなければ思った様に進むものです。
 どこかしら問題があるから進まないのです。


 こういうのは原因を一つ一つ探らないと分からないのですが、
「自分なりにやっているから問題ない」
となると、これは根拠のない
「思い込み」
となります。

 思い込みを基準にすると、自分の選んでいる事は何でも正しいとなるので、原因の解明につながりません。
 それでは私には分かりませんし、医者にも分かりません。

 健康状態が良いとか、食事が問題ないというのは、何らかの検査をしてみないと分からないです。
 その今までの行為が正しかったかどうかを確認する為に検査をします。
 それで問題が発見されれば、次に進む為の方法が見つかります。

 また、健康診断は標準に収まっていれば問題ないとなるものです。
 それが、標準内であっても「最低ぎりぎり」だとすると、運動などのから見た改善点は相当ある訳ます。

 例えば、
「ヘモグロビン量がレジスタンス運動の強度を左右する」
というとここまで読まれて来た方には当然ご理解いただける事ですが、一般的に考えると
「有酸素運動でなければヘモグロビン量は関係ないのじゃないの? 
 標準内に収まっていれば問題ないのじゃないの?」
と短絡的に考えてしまう場合もあります。

 これが原因かは分かりませんが、原因としては可能性がある訳です。
 原因というのはこのように様々なので、調べないと分からないものです。

 そしてそれが「原因だろう」となったら、「食事を改善しましょう」と繋がります。
 
 
 
 こういう状態で相談に来られる方は、何かしら切羽詰まっていたり、または伸びが止まり不安に感じていたりする方が含まれます。

 こういうのは健康面だけでなく、競技練習、トレーニングプログラムの組み立て方、食事や休養などの、すべての要素が関係して表れている現象です。

 「伸びが悪い」というのは表れている現象であって、原因ではないです。
 見えている現象に対処するのではなく、その根本の原因を解決する必要があります。

 根本の原因を探るべきところを思い込みがあると、表面に見えている現象を根本の原因と勘違いしたり、または正しく判断できない事に繋がります。

 見えている現象は「伸びが悪い」ということなので、それを解決しようとして練習やトレーニングを一生懸命しても、それが原因の解消に繋がるものでなければ、一生解決できないか、または「オーバーワークに至り1ヶ月間休んだら元通りになった。結局原因は分からなかった」など、望むものとは相当違う結果となる場合も考えられます。

 原因が分からないままだと、次回同じ事に対面しても、同じ事を繰り返すとなります。


 全体を冷静に見ないと、本来なら見えるものも、見えなくなってしまいます。

 そういうときほど、様々な検査結果を基準にし、全体を見る必要があります。

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