トレーニングプログラムの組み立て方27 本格期のトレーニングや運動の目安

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本格的なトレーニングや運動の目安

 これから本格的なトレーニングや競技をされる方に向けて考えてみた。
 
 これは前章に挙げた、健康状態に不安のある方の場合は負荷が強く適していないので、そのような方の場合はこのシリーズの最初から読んでいただきたい。
 
 
 
本格的なトレーニングや運動を始めてすぐの注意事項

 健康上の問題がない場合は心拍数が 60% を越えるような強度なトレーニングや運動が可能だが、前頁で書いた様にすぐに強強度のトレーニングをするのは、身体的なメカニカルストレスの関係で膝が痛くなったりして、あまり好ましくない場合もある。
 特にジョグやエアロビックダンスのようなものはこの傾向が表れやすい。

 レジスタンストレーニングは比較的衝撃性が少なく、暫くの間続けていれば徐々に負荷を増加させる事が出来る。
 大抵レジスタンストレーニングを行うのは筋肥大を求めての事が多いが、しかし最初からすぐに筋肥大が始まる訳ではない。
 
 
 
神経系の発達の時期

 運動に慣れていないうちは持っている筋肉のすべてを使用できている訳ではなく、せいぜい 60% 程度の力しか出せていない。
 上級者になると 90% 程度以上の出力を出せる様になる。

 また拮抗筋の無駄な緊張も初心者のうちは多い。通常は 20% 程度はあるが、そのとおり 20% 拮抗しているとしたら、手動筋の 60% と差し引くと、実際の出力は 40% となる。

 これを徐々に運動に慣れて、筋の出力を最大限に近づけ、拮抗筋の無駄な緊張が減ったりするのに、通常1ヶ月〜3ヶ月くらい掛かる。

 この期間は普段の活動が弱い人ほど長く掛かると考えられている。
 本格的なトレーニングはまだしていなくても、運動をしている青少年の場合は、ここを越える時期が比較的早い。

 これは「神経系の発達」等と呼ばれる。


 このような期間では 10RM 行ったとしても、次回行うときは大抵重量が上がっているが、これは筋肥大があって重量が上がる訳ではなく、持っている筋肉が力を発揮しやすくなり重量が増えているのである。

 このように重量が都度増加していくので、的確な 10RM 重量は最初のうちは見つからないし、そのときは 10RM 重量だと思っていても実際は筋肥大に適した重量には足りない事が多い。


 誰しも何回かトレーニングをしないとここは越えないのだが、この期間が逆に安全になる様に思う。
 これは、最初のうちは 10RM で頑張っているつもりでも、実際は 20RM の重量だったりするので、メカニカルストレスがそれほど大きくない為である。

 そのうちに実際の 10RM 強度に近づいていくので、その間に徐々に関節等が強化されてくる。

 それからが本格的な「筋肥大」となる。
 詳しくは次に続くシリーズで書く。
 
 
 
トレーニングの種類や組み合わせ方

 どのようなトレーニングも基礎的なものから発展的なものへと変わる。

 レジスタンストレーニングは、一般的には「筋肥大トレーニング」が有名だが、これは一面的な特性で、それ以外にも負荷やセット数や休憩の組み合せ方(プロトコルや設計と呼ぶ)で様々な特性を導き出せる。

 ビルディングやシェイプアップでは、その中の筋肥大と脂肪燃焼が主となる。

 また、競技に向けたトレーニングでは、レジスタンストレーニングの中でも俗にいう「筋トレ(= 筋肥大)」以外にパワーや全身統合のような基礎を終えた後の発展的なトレーニングや、それをさらに進め競技特性に合わせたトレーニングが必要になる。

 さらには有酸素運動やアジリティ、プライオメトリクスなどを組み合わせる必要がある。これも同様に競技特性に合わせたトレーニングがやがて必要になる。

 それ以外に競技練習となる。
 これはトレーナーの行うトレーニングではなく「その競技の監督やコーチ」の行う部分である。

 これらを目的や経験値に合わせ、またそれぞれの立場から見て最適と思われる組み合わせを考える。
 トレーニングで言えば、最初のうちは一般的な筋肥大のようなプロトコルで済むが、高度になればなるほど、競技練習や戦術展開も含め、適した組み合せを作る必要が高くなる。

 これら競技に向けたトレーニングに関しては別途改めて書きたいと思っている。

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