トレーニングプログラムの組み立て方28 健康増進運動から本格的な競技練習までの目安

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 同じような表が続くが、上の図は「トレーニングや運動の、導入期から本格的な強度へ至るまでの目安」を表してみた。今までの説明に従い、健康増進の為の運動の導入期から競技練習までを繋いで一覧にした。

 下の図は、「トレーニングや運動の強度とその割合と、経験値や健康値との模式図」で、トレーニング等が進むに連れてどのように内容が変化していくかを模式的に表したものである。

 これらはあくまで概念だが、健康状態や経年とともにどのように変化していくかを上下の表で合致する様に書いてみたので、双方を合わせお考えいただければと思う。
 
 
 
トレーニングや運動の、導入期から本格的な強度へ至るまでの目安

上の図の拡大表示

 上の図は、先の2頁を頂いている方には特に説明なくご理解いただけると思う。もしお読みいただいていない方は、さかのぼりお読みいただけると幸いである。

 一つ前の頁の表、及びこの上の表では、本格的な競技に必要なトレーニングに「アジリティやプライオメトリックス」を加えた。
 これでひとくくりに出来るものではなく、「アジリティやクイックネス」「プライオメトリックス(プライオメトリクス)」の様に分類されるが、今回は
「本格的に競技をするのでないとあまり必要の無いトレーニング」の類いをここに分類した。

 ここには「スピードトレーニング」「中間的持久力」「バランストレーニング」等を入れても良いだろうし、そういうカテゴリーはそれぞれのトレーニングの中の「競技特性に合わせる」というところや、「競技練習」に分類されるかもしれない。

 私は「トレーニングとは競技練習に因らず競技成績の向上の為に行うもの」と考えていて、このように分類してみた。
 
 
 
トレーニングや運動の強度とその割合と、経験値や健康値との模式図

下の図の拡大表示

 下図は、その発展する中でどのような割合でトレーニングの内容や種類が移り変わって行くかを、模式化したものである。
 実際の割合はそれぞれ人により、またピリオド(サイクル)の中で、それぞれの競技特性の応じて異なるが、
「何らかの競技を始めてから、どの様な発展を経て、どう至るか」
という概念である。

 スタートの時点はそれぞれの方の健康状態や経験により異なる。

 また、ゴール地点も健康増進が目的であれば模式図中央の時期の「本格的なトレーニングの開始」という辺りで同じような内容や強度を維持するだろうし、特定の技術が必要なスポーツ(例えば野球)を週末に集中して行う人もいる。

 また、「ヨガ」や「ピラティス」だとしたら世界トップクラスの専門性を追求しても他のスポーツの様な運動強度には上がらないだろうし、「低山歩き」であれば専門性はあまり必要なく誰にでも気軽に行えるが高い体力要素が必要なものもある。

 ビルディングであれば納得するまで筋肥大と減量の繰り返しである。長く楽しめる。

 ほとんどの競技では、トップクラスになるには体力要素と技術要素の双方が必要になり、模式図の右端まで進む様になる。


 競技トレーニングについては改めて書きたいと思っているが、簡単に言うと、
「基礎的な体力要素を先に作り、それから発展的なトレーニングを行い、やがて競技や競技練習の割合が増える。また、競技に専念する時期であっても、体力維持の為の基礎的なトレーニングは必要である」
となると思う。

 また、競技は長く続ける事が多く、競技技術を時間をかけて磨き上げ、そこに体力要素が加わる。体力はある年齢でピークになりそれから下がる。技術は取得に時間がかかるため、体力のピークの方が技術のピークよりも早く来る。

 例えば、少年時代から野球をしていたとすると、投球や打撃の技術は本格的なトレーニングを始めるより前に学んでいる。
 そして成長するに従い体力が自然と伸び、また、トレーニングをすることで意図的に向上させる事が出来る。
 また、競技練習やトレーニングは発展するにつれ高度になる。同じ事をしていたら前と変わらない。
 このように、成長してく段階では、競技力は体力と技術力が向上することで伸びていく。

 競技練習や各種トレーニングの合計した強度は、ある程度発展した段階以降は減少していく事が多い。しかしピリオドなどでも変化する。
 また、意図的に体力を上げる方法や時期を作る事が有効であると考えられている。これは短期のものは「トレーニング」と呼び、それが日常でもある程度続くと「ピリオド(例:肥大期)」となり、ある程度の期間に集中的に行う事は「合宿(キャンプ)」などと呼ばれる。

 このようにしても総合的な体力は年齢とともに低下してくるが、反対に技術力は経験とともに向上してくる事が多く、その合計が最も高いときが一番競技成績が高い(ピーク)となる。

 そしてそこにゲーム性や周辺環境が勝敗を左右する要素として加わる事も多い。
 それらが総合的にうまく作用した者が、短期のまたは最終的な勝者となる。

 やがてどうしても総合力が向上しなくなる時が来る。
 
 
 
運動選手の健康状態が、一般の方より優れているというわけではない

 今回は健康増進から競技までを一覧に表した関係で、選手の健康状態は「良好」に分類されるが、
「運動選手の健康状態が、一般の方より優れているというわけではない」
という事も言える。

 これは健康や体力をどのようにとらえるかという話しになるのだが、選手は強度な運動するには差し支えないが、例えば慢性的な腰痛や膝痛などを持っていたり、または風邪を引きやすかったりする。
 また、肥大や減量を何度も繰り返したり、精神的ストレスも高かったり、またコンタクトが多いスポーツでは後遺症の恐れもある。


 そう言うのを健康や体力としてどうとらえるかだろうが、
「行動体力は優れているが、防衛体力はそうでもない場合がある」
となる様に思える。

 「運動や体力」と「疲労や障害」は、結局は程度の問題であり、当たり前のことだがトップとして続けていくのは大変な事なのである。

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