初めての本格的なレジスタンストレーニング 10、筋肥大のメカニズム3

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 筋肉の肥大とはどういうことか?

 筋肉の肥大への明確な定義はないが、次の2点を満たす必要があるだろう。
1、筋肉の断面積(≒ 周囲径)が増える。
2、筋肉の断面積の増加に伴う筋力の向上がある。


 例えば、トレーニングをするとパンプアップを起こし筋の断面積は増えるが、それによる筋出力の向上はない。
 パンプアップは簡単にいうと水分が筋肉中に溜まることなので、出力は変わらない。

 また、同じ断面積のまま出力を増すために筋出力トレーニングやパワートレーニングを行うことがあるが、それも筋肥大には該当しない。
 しかしこれは体重制競技では重要な要素になる。
 

 これらにより、筋肉にタンパク質が同化し筋肉そのものの量( ≒ 筋断面積 ≒ 周囲径)が増え、それにより筋出力が増加することが筋肥大といえよう。
 
 
 
 どのように筋断面積が増えるのか?

 筋肉は次のような性質を備えていると考えられている。
1、筋線維は遅筋(赤筋)と速筋(白筋)がある。
2、主に肥大するのは、速筋である。
3、高度なトレーニングを積むと、やがて中間筋(ピンク筋)に変わるのだろう。
4、肥大とは筋線維が太くなることである。筋線維の本数は肥大しても変わらない。

 最後の点が誤解されやすいのだが、筋線維そのものが太くなるから全体の断面性が増えるのである。
 
 
 
 筋肥大と、高度なトレーニング後に現れるだろう筋肉の模式図
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 これは筋肥大を模式的に表した図である。
 外枠が俗にいう「筋肉」そのもので、上腕二頭筋のような紡錘筋を当てはめて考えてほしい。

 それぞれの筋線維は、遅筋(赤筋)は赤で5本、速筋(白筋)は白で5本、中間筋はピンクで表している(これは後から現れるので最初はない)。
 実際は筋線維の数はもっと多い。


 左は筋肥大トレーニング前の状態を表している。遅筋線維(赤いもの)、速筋線維(白いもの)とも同じ太さである。


 中間の図は筋肥大トレーニング後を表し、「主に速筋のみが肥大する」という考えで、白い速筋線維のみを太くしている。
 これにより、全体の周囲が増えている(≒ 筋断面積の増加)のが見て取れる。


 右は中間筋(ピンク筋)が発現した状態で、これはあくまで概念である。
 この中間筋に至る過程や、白筋だけがピンク筋に変化するのか、それとも赤筋も同様に至るのかなどはわかっていないが、どちらかというと

 「ハードなトレーニングや競技練習を積むことで白筋の中にミトコンドリアが発現し、乳酸代謝だけでなく、ヘモグロビンから供給される酸素による代謝も行えるようになった筋細胞である」

と、考えられている。

 これは赤筋と白筋の中間的な性質を持つと言われ、白筋と比べ 90~95% 程度の出力を持ち、乳酸代謝の時間以上の運動の継続ができると考えられている万能な筋である。
 短距離エリートアスリートの筋の8割がピンク筋といわれており、図はそれに沿って書いてみた。

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