トレーニングプログラムの組み立て方4 トレーニングとスポーツの違い

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 トレーニングとスポーツの違いについて述べたいと思います。


トレーニングは確実に結果を出す事が出来るが、スポーツはそうでは無い

 トレーニングはフィジカル面などの能力の向上の為に行うものです。
 基礎的なものに分類される、筋肥大や筋出力、全身持久力のようなものであれば、年齢や性別を問わずほぼ必ず向上させる事が出来ます。
 1%でも向上すれば「以前よりも能力が向上した」といえます。それを良い方向に発展させる事でさらに向上させていきます。

 例えば、「アームカール」のような単関節運動の発生トルクを計測すると、トレーニングを完了させるとほぼ全員の能力が向上します。
 これが高度なトレーニングになると、それに必要な身体が出来ていないと無駄や無理なため、その前の段階から行い徐々に向上させていくとなります。
 また、高度になれば高度になるほど、簡単に結果を得にくいものとなります。
 しかし的確な計画と運営の元に行えば、必ず能力は向上するものです。


 スポーツは、本質的には、相手との優劣を競うものです。
 相手がいることや、成績判断軸が絶対的な成績と芸術得点の二つの方向から見たりする為に、練習をすれば必ず1位になれるわけではありません。

 練習で専門技術を向上させ、トレーニングで体力を向上させ、トータルで相手を上回る結果を出したときに勝てるとなり、相手が自分よりもさらに向上させていたら負けます。
 また、相手と自分と相手だけの問題ではない「ゲーム性」という偶然も作用しますし、所属したチームが強いかどうかというような「運」もあります。
 この様に自分だけでコントロールできない部分が増えるものが、スポーツの特性です。

 楽器の演奏や踊りなどに分類されるものも同様です。
 「上手くなる」という主観的なものであっても、「完璧に満足できた。私が世界で一番上手い」ということはありません。たとえそのとき満足したとしても更なる上を求めたくなります。

 また、誰もが同じ様に上達するかと言うと、どんなに良いコーチやトレーナーが付いたとしても、いろいろな要因で上達に差が生じます。
 練習とトレーニングを高度に組み合わせ、結果的に良い成績を残した者だけがプロを続ける事が出来、行えば誰もがほぼ必ず向上することができるトレーニングとは性格が異なるものです。
 
 
 
体力と障害、トレーニングとスポーツ
 
 体力は、トレーニングやスポーツのどちらを行っても、ある程度同様の向上を見せます。
 しかし、トレーニングは自分で強度をコントロールして行えるのに対し、スポーツではどんなに軽度なものであっても自分でコントロールできない部分が増えてきます。

 例えば膝への衝撃ですが、ゆっくりした動作のトレーニングでは、たとえすごく重いウエイトを用いたとしても、膝への衝撃はコントロールできるものです。

 対してスポーツでは、着地の衝撃は偶然の結果で発生する割合が高いため、いつどうなるかのコントロールがしにくいもので「軽い気持ちで遊びの感覚でやっていれば怪我に繋がらないだろう」と言う事はありえません。

 例えば、ママさんバレーのような、お子さんに手間がかからなくなって時間が出来たので復活される場合などは、体力は下がっているのに昔の感覚のままプレイするので、下肢の障害(半月板損傷など)の発生が多い傾向が有ります。
 これの困る点は、「その障害が一生続く可能性がある」という事です。


 これらのように自分でコントロールできる部分が多いほど安全性が高いとなり、トレーニングの方がスポーツよりは安全となります。
 しかし人によっては、「トレーニングは面白くない」と感じる方もおられます。

(私感ですが、スポーツを選ぶ方はトレーニングはつまらないものだと思い、トレーニングを選ぶ方は確実に見える変化を面白いと思う様に感じます)。


 また、トレーニング(フィットネス)かスポーツの、どちらか一方を選択する場合が多い様に感じます。

 現役アスリートの場合は「競技成績の向上の為にトレーニングをする」という明確な目的が有るのに対し、余暇でスポーツをする場合にはそういう風に考えない為かもしれませんが、週末に体育館で何かのゲームをしたり、ボーリングをしてすっきりした、というような楽しみ方があって当然です。

 とはいえ健康や趣味の為のスポーツで怪我をするのは、自分だけに関わらず家族の負担が増えるので、「スポーツを安全に行う為にトレーニング行う」という考え方も重要でしょう。

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